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2012 年度 実施状況報告書

力覚を有する遠隔操作システムにおける新たな操作性指標の提案と制御系設計への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24760198
研究機関東京工業大学

研究代表者

只野 耕太郎  東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (90523663)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード遠隔操作システム / 力覚提示 / バイラテラル制御
研究概要

力覚提示機能を有する遠隔操作システムは、インピーダンス制御により操作中の機械的インピーダンスを任意に設定可能である。作業内容や好みに合わせてインピーダンスを設定することで操作性の向上が期待できるが、設定によっては物体接触時の力覚感度が低下してしまう場合がある。これは,物体接触時と非接触時の操作者が受ける力の差または比すなわち力のコントラストといえる量が大きく低下するためであると考えられるが,制御パラメータと力覚感度の定量的な関係は明らかでない。本研究では,力のコントラストを各制御パラメータの関数として表現し、制御パラメータ設計の指標として提案することを目的とした。
はじめに、物体接触時と非接触時に操作者が知覚する力の差または比である力のコントラスト指標を、心理物理学におけるStevensの法則を用いて物体との接触前後の力の応答から定式化した。定式化した指標がどの程度、実際の人の感度を表しているのかを評価するため、複数の被験者に1自由度力覚提示装置を操作してもらい、その際のコントラスト指標と力の知覚しやすさのアンケートを比較する実験を行った。実験結果から、コントラスト指標とアンケート結果は同様の傾向を示し、提案する指標がが実際の力の知覚しやすさを表現できていることを確認した。
また、接触対象の剛性の低下によって力覚感度が低下した場合に、定式化した力のコントラストをインピーダンスパラメータ設計の指標として用いることで元の力覚感度を実現できるかどうか実験により検証した.力のコントラストの値が元のインピーダンスの時と同等になるようにインピーダンスの値を調整したところ、変化前と同等の力覚感度を得られることを確認し、提案するの力覚感度指標の有効性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では本年度中に力のコントラスト指標を確立する予定であったが、現時点までに構築している指標には位置や力のスケーリングの効果が含まれておらず、制御パラメータの設計に活用するにはまだ不十分である.

今後の研究の推進方策

上記のスケーリング値と力の知覚しやすさを被験者実験を通じ定量的に調べ,その結果を操作性指標である力のコントラストへ反映させる.また,これまでは1自由度の装置によって実験を行ってきたが,これを実作業が可能な3自由度以上に拡張し,VR 空間や実際のマスタスレーブシステムにおけるタスクによって本指標の評価を行う.
上記で導出した指標に基づいて制御パラメータを設計する方法を構築する.基本的には,定式化した力のコントラストと制御パラメータの関係をシステムの安定性を考慮しながら逆に解くことで,操作者が望む操作性から他のパラメータを導出できるようにする.このパラメータ設計方法を実際のマスタ・スレーブシステムに適用し,操作者が望む操作性を実現できているかを確認する.ここで,想定した結果が得られない場合には力のコントラストの関係式から見直し,実際の状況を再現できるように再構築する.
上記の設計方法をこれまでに開発している手術支援ロボットシステムをはじめとする既存の遠隔操作システムに適用し評価実験を行う.実践的なタスクを設定し操作性や力のコントラストの関係について総合的に評価し,提案する方法の有効性を示す.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 遠隔操作システムの力覚感度に関する指標の提案2013

    • 著者名/発表者名
      大久保 晃佑,只野 耕太郎,川嶋 健嗣
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2013
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20130522-20130525

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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