研究課題/領域番号 |
24760200
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山田 浩也 東京工業大学, グローバルエッジ研究院, テニュア・トラック助教 (20550536)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | ロボット / 無段変速機 / マニピュレータ |
研究概要 |
本研究は,ロボットに利用可能な,小型のクランク式無段変速機の開発と評価を目的としている.平成24年度には,(1)無限回転可能な新しい試作機の開発,(2)小型のトルク検出機構の開発とトルク制御,(3)無段変速機を持ちいたマニピュレータの開発,の3点を行った. (1)については,従来の試作機において出力軸の回転角度に限界があった点を改良し,出力軸を無限回転できる新しい無段変速機を試作した.また,従来機で問題であったバックラッシュを防ぐ工夫も図った.現在までに,試作機とその制御系を開発し,従来よりバックラッシュが減少したこと,また無限回転が可能であることを確認した.新しい試作機は,最大速度360度毎秒,最大連続トルク35Nmを実現しており,小型ロボット用関節として十分な性能を示している.また無限回転が可能となったことで,例えば車輪などにも応用の範囲が広がった. (2)については,金型用の小型強力バネと磁気式リニアエンコーダにより,殆ど構造に変更を加えことなく無段変速機に適用できる装置を開発した.これによりトルクの検出が可能となった.さらにトルク制御による出力軸の柔らかい制御も実現し,柔らかい制御時には指一本で押し返すことも可能となった. (3)については,新しい無段変速機を3個用いた3自由度マニピュレータを設計し,組立を行った.現在,制御プログラムを開発中であり,今後,速度や最大荷重,位置決め精度などの性能の評価を行う予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に挙げていた4つの研究課題(トルク検出機構の開発,2種類の試作機の開発,マニピュレータの開発,4足歩行ロボットの開発)のうち,1つは達成,2つは半分まで達成された.よって研究の進捗率は50%であり,おおむね順調に進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度も,計画に沿って以下の3つの課題について研究を進める.第一の課題は,現在開発中のマニピュレータの完成と,その性能の評価である.2つ目は,現在より小型で体積当たりの出力を向上した無段変速機の開発である.3つ目は,無段変速機を利用した4足歩行ロボットの開発とその性能の評価である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は,基礎的な設計検討に時間をかけたこと,またマニピュレータの設計で比較的安価な部品を使用したことにより,予定よりも機械加工費が少額となった結果,次年度使用額が発生した.この研究費は,平成25年度の請求額と合わせ,主に4足歩行ロボットの機械要素購入費と機械加工費に使用する予定である.
|