研究課題/領域番号 |
24760208
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大原 賢一 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任講師(常勤) (50517886)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 微小力センサ / マイクロマニピュレーション / 細胞剛性計測 |
研究概要 |
2本指マイクロハンドによる多自由度での細胞剛性計測の実現を目的として,H24年度では,既存の微小力センサの改良を目指し,研究を進めた.まず,既存の2本指マイクロハンドにおける力センサの設置方法,さらには計測方法を分析し,課題の抽出を行った.さらに,分析結果に基づき,センサ単体での開発ではなく,センサと把持を行うエンドエフェクタを共存させる機構が適していることを見いだした.この方法とMEMSの製作プロセスの双方を鑑み,計測に適したエンドエフェクタのデザインをおこなった.さらに,デザインしたエンドエフェクタにおけるセンサの配置箇所について,ANSYSによる構造解析を通じて,検討を行った.新規センサの開発を進める一方で,既存のセンサを用いた多自由度計測についても試みており,2本指マイクロハンドに1自由度センサをそれぞれのハンドに直交させる形で配置することで,2自由度での剛性計測を可能とした.これらの試行に加え,これまでのシステムでは,効率の良い剛性計測を行えているとはいえず,1個の細胞にかかる計測時間が6分/個であった.そこで,この速度を改善すべく,2本指マイクロハンドによる剛性計測の自動化システムの構築を行った.今年度の成果発信の一環として,IEEE International Conference on Robotics and Automation(ICRA)に投稿し,採択され,平成25年5月に発表予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度では,多自由度計測可能なセンサ開発に向け,エンドエフェクタ一体型のセンサのデザインを行い,シミュレーションレベルでその有用性の検証を行った.従来の計画ではセンサ設置部とエンドエフェクタ設置部は別々にデザインする予定でいたが,このような一体型にすることで,利便性の向上が期待でき,より有用なセンサの創出へとつながるといえ,達成すべき課題に対して順調に進んでいるといえる.さらに,H25年度に実施予定であった剛性計測の自動化について,おおむね達成できており,順調に研究が進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は,H24年度に検証したセンサ搭載エンドエフェクタの製作を中心に行い,製作したセンサ系単体での検証,さらには,2本指マイクロハンドに搭載し,把持性能,計測性能の双方の検証を進める.さらには,自動化システムに組み込み,剛性計測性能について,有用性の検証を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度はセンサ製作を中心に行い,主にこの製作費,さらにはこの検証のために必要となる設備に充てる. また,研究成果発表のための旅費に使用するものとする.
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