ナノサイズのポーラス構造を持つセラミックス粒子をポリマーに充填したナノポーラスコンポジット絶縁材料を電力機器に適用することを目指し,その低誘電メカニズムと電気絶縁特性を調査した.メソポーラスアルミナ粒子をエポキシ樹脂に充填したナノポーラスコンポジットの比誘電率は,ノンポーラスコンポジットより30%低減する可能性を明らかにし,内部空孔によることを示した.さらに,ナノポーラスコンポジットの絶縁破壊強度は,ノンポーラスコンポジットと同等であり,ナノポーラス空孔は直流絶縁破壊強さの欠陥とならない可能性を示した.以上よりナノポーラスコンポジットが,電力機器の有力な電気絶縁材料の一つであることを示した.
|