本研究では、まず、応募者の有する厳密解法に基づく最適化技術を改良し、改良技術を利用することで、これまで十分に検討がなされていなかった配電ネットワーク流通最適化問題の特徴解析の実現を図った。次に,同問題におけるMetaheuristics(代表例としてTabu Search)の探索性能について検証した。その結果、同問題において、①得られた解が局所最適解であっても実用上良好な解である可能性が高い、②ハミング距離は解の類似性を測る指標として一定の役割を果たす、③局所最適解補足後は脱出できる可能性は極めて低い、④局所最適解に補足される前後では現在解更新時にループ形状が変化しない可能性が高い、という4つの特徴が存在する可能性を確認することができた。また、同手法を基盤として再生可能エネルギー大量導入時に向けた新しい最適化手法を開発し、効率性・信頼性を両立し得る配電ネットワーク運用形状の方向性を見出した。 上記研究の有効性について実規模配電ネットワークモデル上の数値シミュレーションにより確認し、平成25年度電気学会電力・エネルギー部門大会(新潟)、平成25年度電力技術・電力系統技術合同研究会(北九州)、平成26年電気学会全国大会(松山)等の学会で発表して高い評価を得た。また、Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Infromatics(2013)といった学術雑誌(査読付)に本研究の成果として公表した。
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