研究課題
太陽電池・風力発電等の発電機器による分散型電源の普及が期待されており,またこれらを1つのグループとして統合的に管理・運用するスマートグリッドの考えも注目されている。将来のこれらの普及を考慮し,系統電圧の高電圧化および安定化を目的とした分散型電源用の新しい電力変換システムとして,モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC)と呼ばれる新しい電力変換器構成の考え方を用いた系統連系用の回路・制御方式について研究を行い,MMCの特徴を活かした次世代型の新しい電力変換システムの開発を行った。このシステムを電力送電ラインやスマートグリッドによりグループ化された送電システム間を中継する変換器として用いることで,適正な電力送電を行うことができる。また,変換器のマルチレベル出力により,出力の高調波歪みが少なくなり電力品質も向上する。本研究で行ったMMCのシステム構成は,交流/交流電力伝送を行うための変換器で,汎用の電力変換器を多段接続した回路構成である。多段接続回路内の複数コンデンサの電圧調節の制御と同時に,交流系統の電力送電の有効・無効電力制御を行い,それらに内部モデル原理を利用した電流制御手法を適用することで制御性能の向上を図った。入力側と出力側で授受する有効電力・無効電力の制御を行うことにより,電力送電,及びコンデンサ電圧の適正化が可能である。本研究では,電力送電とコンデンサ電圧の調整を含めたシステム全体の電力の授受について理論的な解析を行い,提案制御方式について回路解析ソフトによるシミュレーションを行うことによりその有効性を確認した。さらに実験による検証を行うための試験回路の作製及び制御プログラム開発等を行った。実験により系統から負荷へ電力伝送を行う制御及びコンデンサ電圧の制御を行い,提案するシステムが適正に動作することを明らかにした。
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Journal of International Conference on Electrical Machines and Systems
巻: Vol.2, No.2 ページ: 248-255
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/handle/10069/31556
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/dspace/handle/10069/34236