研究課題
本研究は、課題A~課題Cから成り、複合知覚支援機能をバイラテラル遠隔操作システムに付加することを目的としている。25年度は課題B『視覚情報と触覚情報に基づく操作者と操作対象の状態推定』に取り組んだ。課題BはB1とB2のサブテーマで構成される。また、研究が予定よりも進展したため、課題C『状態推定値に基づく操作者の動作の機械的補助』にも着手した。課題CはC1とC2のサブテーマで構成されており、25年度はサブテーマC1に取り組んだ。さらに下記の研究成果を、査読付き原著論文(5件)、招待講演(3件)、査読付き国際会議論文(13件)などを通じて、国内外に広く発信した。■B1. 操作対象の状態推定:バイラテラル遠隔操作の利点の1 つとして、操作者と操作対象の触覚情報を抽出できることが挙げられる。触覚情報に加えて操作対象の位置・姿勢を変位センサを用いて計測することで、操作対象の硬さ、位置、形状などの状態をリアルタイムに推定する手法を提案した。また、有効性を検証するために、『バイラテラル遠隔操作システム試作機』を用いて、3次元空間上に置かれたプレートの硬さ、位置、傾きをオンライン推定する実験をおこなった。■B2. 操作者の状態推定:上記のB1 と類似した方法で操作者の動作特徴などの状態を推定した。まず、技能が必要になる具体的な動作(今回は鉛筆による紙面に対する筆記動作)の触覚情報を『バイラテラル遠隔操作システム試作機』を用いて電子データとして抽出した。■C1. 単純動作の自動化:課題B で保存した電子データを任意の時間に『バイラテラル遠隔操作システム試作機』を用いて自動再生することに成功した。保存時に人の手で筆記した字体と自動再生した字体が一致したことから、動作特徴が適切に抽出できたことが示された。
1: 当初の計画以上に進展している
24年度に引き続き25年度も予想以上に研究が進展したため、26年度研究の一部である、課題C『状態推定値に基づく操作者の動作の機械的補助』のサブテーマC1に着手した。課題Aと課題Bに関して多くの成果を挙げただけでなく、C1に関しても既に、国内会議発表(1件)などの成果を発表しており、本研究は当初の計画以上に進展していると判断できる。
25年度の研究成果を基にして、引き続き、課題C『状態推定値に基づく操作者の動作の機械的補助』に取り組む。サブテーマC2『ロボットと操作対象の同期』では、操作対象の運動の再現性を確保するために『擬似操作対象』を試作する。また、『バイラテラル遠隔操作システム試作機』の駆動のために必要な消耗品類である『アクチュエータ』、『エンコーダ』、『モータドライバ』『制御回路用電子部品』、『機械部品』を購入する。さらに、研究成果を国内会議、学会誌を通じて発信するために『国内会議旅費・交通費』、『会議費』、『学会誌投稿料』を使用する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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