研究課題/領域番号 |
24760242
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
竹下 慎二 和歌山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助教 (30616800)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ディスク形MHD加速機 / 空気プラズマ / 数値解析 |
研究概要 |
交付申請書に記載した昨年度の研究計画では、ディスク形MHD加速機の非定常r-z 2次元数値解析コードの開発を進めて、適用する計算スキームはMacCormack法を用いること、MHDチャネルのみの解析コードの開発完了後に、MHDチャネル内で電流・磁界を加えない非定常流れでのシミュレーションを行い、このとき、超音速流れにおいてチャネル内断面積を増大、減少、一定の場合に設計したときにシミュレーション結果がその断面積変化及び形状に見合うかどうかプラズマダイナミクスの挙動を確認することであった。さらに、非定常準1次元解析コードと既知の実験結果を用いて比較することにより整合性を取り、評価を行うことを目的とした。 昨年度の目標では、非定常r-z2次元数値解析コードのMHDチャネル部分の開発を終了することだったが、MHDチャネル部分の解析結果を既知の実験結果や既に開発されている非定常準1次元数値解析コードと比較すると、残念ながら妥当性のある解析結果が得られていない。考えられる主な問題点としては境界層での粘性モデルの適用をどうするのか、解析グリッドをうまく取り扱う方法の検討という問題点が挙げられる。 今後については、上記、2点の問題点の解決策を模索すると共に、改めて非定常r-z2次元数値解析コードの点検を行うことを最重点課題として取り組む予定である。また、非定常r-z2次元数値解析コードが開発・評価が完了してから、ノズル部及び排出ノズル部を解析領域に加えていくことを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した昨年度の研究計画では、ディスク形MHD加速機の非定常r-z 2次元数値解析コードの開発を進めて、適用する計算スキームはMacCormack法を用いること、MHDチャネルのみの解析コードの開発完了後に、MHDチャネル内で電流・磁界を加えない非定常流れでのシミュレーションを行い、このとき、超音速流れにおいてチャネル内断面積を増大、減少、一定の場合に設計したときにシミュレーション結果がその断面積変化及び形状に見合うかどうかプラズマダイナミクスの挙動を確認する。さらに、非定常準1次元解析コードと既知の実験結果を用いて比較することにより整合性を取り、評価を行うことを目的とした。 現状では適用する予定だった計算スキームがMacCormack法をそのまま適用できないことが判明したことから、2次元に拡張したTVD-MacCormack法を適用することを決定した。また、既に他の研究機関で開発されているディスク形MHD発電機のr-z 2次元数値解析コードと支配方程式や計算スキーム、出力形式などを比較しながら開発を進めている。昨年度の目標ではMHDチャネル部分の開発を終了することだったが、MHDチャネル部分の解析結果が既知の実験結果や既に開発されている非定常準1次元数値解析コードと比較すると、妥当性のある結果が得られていない。主な問題点としては境界層での粘性モデルの適用をどうするのか、解析グリッドをうまく取り扱う方法という問題点が挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては改めて、非定常r-z 2次元解析コードの見直しを進めて、24年度と同じくMHDチャネル部分の非定常r-z2次元解析コードの開発を行い、その後に非定常準1次元解析では分からなかった、エネルギー印加時の電流・チャネル入口近くで発生していた圧力上昇の2次元発生分布及びその詳細なメカニズム、それらがプラズマ挙動及び加速性能にどういった影響をもたらすのかを時間変化での結果により明らかにする。さらに大きなシミュレーションのテーマの一つとして、ディスク形MHD加速機での電流-磁界変化による加速性能の変化が挙げられる。これまで電流変化のみを取り扱ってきたが、一様な磁界変化や局所的な磁界変化も取り入れることで、ディスク形MHD加速機の加速性能と電流-磁界特性の関係が明らかに出来る。 また、ノズル部と排出ノズル部を解析領域に加える。これによって、ディスク形MHD加速機内での全体的なプラズマ挙動が把握できるだけでなく、効率よくプラズマを加速させる為の電極の配置場所や長さの設計、実際に超伝導磁石を配置する際に磁界分布とどのように整合を取っていくかなどが明らかになってくる。また、プラズマがチャネル中などを通過する際に澱みが発生したり、境界層剥離が発生したりするかどうか検討することも大きな課題である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画では、初年度に国際会議及び国内会議での発表を控えたことと、購入予定だったソフトウェアが予定数よりも少なく購入した為に、未使用額が発生している。次年度は、主に非定常r-z 2次元解析コードの開発・評価を行うことになるため計算サーバなど装置の購入はない。予定しているのは消耗品の購入、さらに国内での学会や国際会議での成果発表を行うための旅費、論文出版費の計上を見込んでいる。また、打ち合わせに必要な旅費や情報提供に対する謝金についても計上している。
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