ディスク形MHD加速機は、これまで国内外で盛んに研究されていた直線形MHD加速機に比べ、1)熱損失の大きさとチャネル出口付近でのプラズマ温度の低下を懸念する必要が全くない、2)ディスク形チャネルと一対の電極、超伝導磁石という、直線形MHD加速機より単純な構造、3)全体的にコンパクトな加速システム、という利点があった。しかし、これまでのディスク形MHD加速機に関する研究は、準1次元非定常数値解析によって得られた結果で、チャネル長に対しての断面積変化による平均的なものであったため、局所的な変化がわかりにくいという欠点があった。 そこで、本研究課題ではr-z非定常2次元数値解析コードを開発し、1)既知の実験結果と非定常準1次元解析コードを用いて、シミュレーション結果の妥当性を検証する、2)電流-磁界変化(一様及び局所的な変化)によって、加速効率特性を示す、3)チャネル入口近くでの圧力上昇やそれに伴うプラズマ挙動や加速性能への影響を検討することを目的とした。とりわけ、1)の目的についてはMHD領域部の拡張をまず行い、その後流入部及び排出ノズル部への拡張を順次行っていくこととしていた。 解析スキームとして、TVD-MacCormack法を用い、さらに出口境界条件を外挿または自由流出として数値解析コードの開発を行った。しかしながら、開発したコードが未完成であり満足のいく結果が得られなかった。その原因としては、スムースな研究引継ぎが出来なかったこと、検証作業に十分取り掛かれなかったことなどが挙げられるが、引き続き数値解析コードの開発を行う必要がある。
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