• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

高度先進ガン治療装置のための湾曲型超伝導マグネットの安定化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760243
研究種目

若手研究(B)

研究機関核融合科学研究所

研究代表者

尾花 哲浩  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (60435518)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード超伝導コイル
研究概要

■課題『伝導冷却型多層超伝導コイルの安定性解析コードの開発』
高度先進ガン治療装置のための湾曲型超伝導マグネットには、直径1mm程度のNbTi超伝導線を、Surface winding 法を用いて製作した多層構造の超伝導コイルを使用する。超伝導コイルの冷却には、コイル外層に純アルミ板を取り付けた伝導冷却方式を用いる。そのため、超伝導コイルの通電時における冷却安定性が懸念される。そこで、超伝導コイルの安定性を評価するためのクエンチ解析コードの開発に取り組んだ。本解析コードでは、一次元非定常熱伝導方程式に、超伝導特性と冷却を模擬する項を加えた基礎方程式を前進差分法を用いて解いた。解析を行う際に用いた解析モデルの詳細は、以下の通りである。コイル内径:150 mm, コイル長: 810 mm, ターン数: 234, コイル層数:2, NbTi超伝導線の径:1 mm, コイルは樹脂浸漬されている。解析時の境界条件に関しては、コイル両端(リード部)は断熱状態とし、冷却板の長手方向の一方の端部は温度固定、もう一方は断熱状態とした。以上の解析条件で、伝導冷却型2層超伝導コイルの最小クエンチエネルギーを、様々な通電条件下で求めることができた。しかしながら、本解析を通して、今後の課題も得られた。本解析では、冷却安定性の詳細な評価を行うために、超伝導コイル及び冷却板を模擬した格子の間隔を、10mm程度にしている。そのため、非定常解析で安定な解を得るために、時間刻みを1μsec程度にしなければならず、解析時間に膨大な時間を要する。今後、数十層からなる多層化超伝導コイルの解析をする際、上記の解析条件では、解析解を得るのに非常に厳しい。そこで、今後、解析条件の見直しを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

職務として、日本と欧州の共同プロジェクトであるJT-60 Super Advanced (JT-60SA)で使用する核融合用超伝導導体(ケーブル・イン・コンジット導体)の性能評価を行うための試験を、核融合科学研究所で行っている。研究代表者は、本試験の準備作業、及び試験作業を担当している。また、得られた試験結果を解析することによって、核融合用超伝導導体の内部における電磁現象の解明を行っている。今年度は、職務に時間を取られてしまい、本研究テーマに取り組む時間を十分に作ることができなかった。

今後の研究の推進方策

今年度は、職務としての研究テーマに時間を取られたため、当初予定していた多層コイルの設計研究にあまり取り組むことができず、今年度に使用する予定の研究費を、全額執行することができなかった。
次年度は、本格的にコイル設計に取り組むため、今年度の研究費、及び次年度の研究費を合わせて、設計研究に必要なソフトウェア等を購入する。また、設計研究に目途がついたところで、多層コイルの製作に必要な消耗品を購入する。

次年度の研究費の使用計画

今年度の残予算、及び次年度の予算を使用して、多層構造を有する湾曲型超伝導コイルの設計研究に必要なソフトウェア(3D-CAD)等を購入する。また、コイル製作に必要となる消耗品も購入する予定である。

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi