研究課題/領域番号 |
24760243
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
尾花 哲浩 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (60435518)
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キーワード | 設計研究 / 超伝導コイル |
研究概要 |
高度先進ガン治療装置のための湾曲型超伝導マグネットには、超伝導素線をコイル巻枠に直接接着する『Surface winding 法』を用いて製作した超伝導コイルを使用する。超伝導コイルの設計には、設計要求を満足するように、直径1mm程度のNbTi超伝導線を、巻枠上の最適な位置に配置しなければならない。そこで、本研究では、以前開発したコイル断面設計コードに基に、湾曲型コイル形状のためのコイル設計コードを作成した。本設計コードでは、積分磁場を目標値として使用し、最適な湾曲型コイル形状を作り上げることが可能である。 本設計コードを用いて、湾曲型コイルの概念設計を行った。設計を行う際に使用したパラメーターは、下記の通りである。偏向角:22.5度、偏向半径:2.8 m、コイル巻枠の外半径:175 mm、参考半径:100 mm、素線の径:1.2 m。その結果、目標とする積分磁場を実現する湾曲型コイル形状(層数:20、ターン数:3148)を設計することができた。 また、上記の湾曲型コイル形状へ通電した際、コイル上に発生する磁場分布を計算した。その結果、コイルの長手方向における中心軸(偏向半径)を基準にして、左右非対称の磁場分布が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
科研費の研究テーマとは別に職務として、国際熱核融合実験炉(ITER)、及び日欧の共同プロジェクトであるJT-60 Super Advanced(JT-60SA)で使用する核融合用超伝導導体の性能評価を行っている。平成25年度は、職務にかなりの時間を割いたため、科研費の研究テーマに、あまり取り組むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、湾曲型コイルの試作し、コイルの性能試験を行うつもりであった。しかしながら、湾曲コイルの巻線作業、及びコイル性能試験を行う試験設備等の整備を残りの1年間で取り組むのは、時間的に非常に困難である。 そこで、H26年度の計画では、これまでに実施した湾曲型コイルの概念研究を進める過程で、浮かび上がった様々な課題(コイル形状の湾曲化によるコイル性能への影響等)に取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
科研費の研究テーマとは別に職務として、国際熱核融合実験炉(ITER)、及び日欧の共同プロジェクトであるJT-60 Super Advanced(JT-60SA)で使用する核融合用超伝導導体の性能評価を行っている。平成25年度は、職務にかなりの時間を割いたため、科研費の研究テーマにあまり取り組むことができず、当初の予定通り、助成金を執行することができなかった。 平成26年度は、湾曲型コイルの設計研究を主に取り組む。そこで、本研究を迅速に進めるため、今年度、及び前年度から持越した助成金を使用して、新たに計算機を購入する予定である。
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