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2012 年度 実施状況報告書

走査型非線形誘電率顕微鏡を用いたエネルギーアシスト方式強誘電体記録

研究課題

研究課題/領域番号 24760263
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

山末 耕平  東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70467455)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード強誘電体記録 / 走査型非線形誘電率顕微鏡
研究概要

強誘電体におけるナノスケールの分極反転を利用した強誘電体プローブメモリは,記録密度において限界を迎えつつある現行の磁気記録を代替可能な次世代超高速・超高密度記録方式として,近年,注目されている.本研究では,強誘電体プローブメモリへの応用を目指した,外部エネルギー投入によるナノスケール分極反転の容易化手法,すなわちエネルギーアシスト方式強誘電体記録を提案している.本年度はエネルギーアシスト方式強誘電体記録の実現に向けて,既存の走査型非線形誘電率顕微鏡(SNDM)に組み込み可能なヘッドを開発した.光または熱を用いた分極反転の容易化を行うため,記録媒体またはカンチレバーへの光照射またはそれらの加熱を可能とするSNDMのヘッドを設計・製作した.開発されたヘッドは,原子間力顕微鏡におけるカンチレバーの光熱励振に関する先行研究を参考に製作したものであり,2つの半導体レーザ(LD)を用いて,それぞれをカンチレバーの変位検出ならびに光照射・加熱用レーザとして用いることができる.また,後者が前者に影響を及ぼすことを避けるため,前者には赤色LD,後者には青紫色LDを用い,光学フィルタを用いて波長分離を行う.新規ヘッドを既存のSNDM装置に組み込み可能なことを確認し,次年度以降にレーザ光照射下における分極反転実験を行うことを可能とした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規SNDMヘッドを用いて記録媒体またはカンチレバーへのレーザ照射下における分極反転実験を行い,エネルギーアシストの効果に関する基礎的検討を行う予定であったが,現状ではまだ行うことができていない.レーザ照射により昇温可能な温度範囲に関する検証が不足しており,適切なレーザ出力に関して検討が必要なためである.また,ナノスケール分極反転の数理モデル化と数値シミュレーション環境に関しても,まだ構築には至っていない.準備可能な計算機の能力とモデリングの精度に関して,より詳細な検討が必要となったためである.

今後の研究の推進方策

新規SNDMヘッドに適切な出力を持つレーザを搭載し,レーザ光照射下における分極反転実験を可能とする.次に,構築された実験環境を用いて,分極反転におけるエネルギーアシストの効果を実験的・数値的に系統的かつ詳細に検討し,エネルギーアシストによる強誘電体記録実現の糸口をつかむ.分極反転に必要なレーザ強度と書込みパルスの電圧,パルス幅,ドメインサイズの関係を詳細に検討し,光アシストの効果,特に書き込み電圧の低電圧化および短パルス化の可能性を実験的に明らかにする. また,数値シミュレーション環境を整備し,ドメイン反転に関わるスイッチングダイナミクスを数理的な観点から究明できる体制を整える.計算機の能力とモデリングの精度に関して,より詳細な検討を行い,適切なモデルを導出する.

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり,平成25年度請求額とあわせ,平成25年度の研究遂行に使用する予定である.特に,新規SNDMヘッドに搭載するレーザ光源,コントローラ,制御測定用コンピュータの購入を予定している.また,数値計算を行うため,専用計算サーバおよびソフトウェアの購入を計画している.また,旅費等は,国内外の学会出席,成果報告ならびに情報収集,調査費用として計上し,消耗品として,プローブとして用いるカンチレバー,ヘッドに用いる電子部品・光学部品・機械部品などの購入に充てる.

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公開日: 2014-07-24  

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