本研究では、複数の遅延干渉計を準備せずに偏波多重光信号の復調を可能とする手法の検討を進めた。偏光変換を利用して単一の遅延干渉計のなかに2つの光路を実装し、従来必要とされていた遅延干渉計2系統を1つに集約するものである。まず光干渉計の出力そのものを直接検出せずに導波路型光干渉計の光路長差を制御する手法を示した。またテストベッドを構築して遅延時間や偏光クロストークの定量的評価を進め、提案する系の光出力の偏光直交性およびその律速要因を実測に基づいて示した。更に導波路型光干渉計の光路長差を高速で制御した場合のクロストークを従来手法に対して高いダイナミックレンジで推定する事に成功した。
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