本研究では,軸方向放電励起方式と誘電体バリア放電方式を組み合わせた新しいエキシマランプ型低ガス圧軸方向放電励起方式により,放電キャピラリープラズマをレーザー媒質としたペンシル型真空紫外レーザー(アルゴンエキシマ(Ar2*)では波長126 nm,クリプトンエキシマ(Kr2*)では波長147 nm,キセノンエキシマ(Xe2*)では波長172 nm)の発振を目的として,その基礎パラメータを明らかにする. 平成25年度は,以下の3つを実施した.1,平成24年度に実施した実験の中で,高ビーム品質の気体レーザーの発振が実現可能な励起回路を開発したため,窒素(N2,波長337 nm)レーザーで発振実験を行った.本実験は,研究実施計画には記載していなかったが,本研究課題から派生した新しい課題であり.新しい気体レーザーの理解に重要であると考えられたため,実施した.本実験では,科研費で購入した紫外用ビームプロファイラを使用し,ビーム広がり角0.3 mrad(全角)が得られた.本成果は,国際会議で発表し,学術誌に論文を投稿中である.放電特性が明らかとなった為に,平成26年度に本方式を希ガスエキシマに適用する.2,前述1の開発を受け,高ビーム品質・高出力の紫外気体レーザーの開発のために,大口径放電管における均一放電の実験を行った.本実験も,前述同様重要であると考えられたため,実施した.内径14 mm,長さ30 cmの放電管において均一放電が生成可能となり,N2レーザーにおいてガウシアンビームが得られた.平成26年度に本方式を希ガスエキシマに適用する.3,研究実施計画に記載し使用を考えていた真空紫外分光器では分光測定が上手く行かなかったため,真空紫外用のファイバー分光器を科研費により購入し,測定系を製作した.現在,希ガスエキシマの真空紫外域の分光測定を実施している.
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