研究課題
若手研究(B)
セキュアな断熱的論理回路の回路構造は,シングルエンド入力と差動入力とに分類されるが,回路構造によって,シングルエンド入力,差動入力回路は,消費エネルギーに差が生じる.そこで,回路構造と消費電力にはどのような相関関係があるのかを回路シミュレーションより解析し、その要因を明らかにした.具体的には,差動入力論理の電流ばらつきが少ないことが分かった.その後,差動入力論理構造による新しい断熱的論理解路CSSALを提案した.この回路は,各ノードの電位部分を平坦化するために,並列にトランジスタを挿入した回路である.回路シミュレーションより,従来のセキュア断熱的論理回路よりも10倍以上の高耐性を示すことが分かった.このCSSALを用いて暗号回路に用いられるガロア体GF(2<sup>4</sup>)のアレイ型乗算器のLSI設計を行った.レイアウト結果より,本提案回路を用いることで,消費電力は従来の断熱的論理回路を用いた場合と同等となったが,よりセキュアな実装を行うことが可能となった.
1: 当初の計画以上に進展している
今年度は,回路シミュレーションによる検証と回路の提案までが計画であったが,次年度の計画であるLSI設計に着手することができたために,計画以上に進展していると評価した.
設計したGF(2<sup>4</sup>)のLSI評価と,暗号回路用S-boxのLSI試作および評価を行い,本提案方法の有効性を確認する.
該当なし
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