研究課題
セキュアな断熱的論理回路は,差動入力による論理回路が電流ばらつきが少なくなることが分かり,この結果を踏まえ,新しい差動断熱的論理回路CSSALを昨年度提案した.加えて,この回路を使用して,暗号回路の一部としてよく利用されるガロア体乗算器を0.18um CMOSプロセスを用いて集積回路の設計も行った.本年度は,昨年試作したガロア体乗算器の測定評価と,さらに,暗号回路に利用されるS-BOXの集積回路設計を行った.以下,主な研究実績である.(1) 試作したガロア体乗算器は,動作周波数4MHz,消費電力1.13uW@1.25MHzで動作することが可能であり,これは従来の論理回路と比較して消費電力が約1/10となった.加えて,提案回路の電流ピークは均一性を示し,セキュアな回路であることを確認した.(2) 8bit S-BOXの集積回路設計を行った.使用したプロセスは0.18um CMOSである.S-BOXはガロア体乗算器と比較して,信号経路(クリティカルパス)が長くなるために,提案回路においては,3相クロックを使用してハザード抑制を実施した.
2: おおむね順調に進展している
本年度は,ガロア体乗算器のLSI評価と,S-BOXのLSI設計が主な研究内容であったため,計画通り順調に進展していると評価した.
LSI試作により完成したS-BOXの評価,および,暗号回路AESの設計.その後,本研究課題の総括を行う.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
IACSIT International J. Modeling and Optimization
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http://www1.gifu-u.ac.jp/~yasut/