これまでに研究開発がなされているMEMSは主にシリコンや金属材料を用いて作製されているため、機械的、電気的、化学的および熱的な安定性が悪く、さらなる高性能化および高信頼性化が困難という欠点がある。ダイヤモンドは、弾性定数、硬度、熱伝導率、絶縁性など物質中で最高値を有する材料である。同時に超疎水性の表面および低い誘電損失、高濃度ドープにより金属導電性が得られることなどから、既存の材料をはるかに凌ぐ省エネルギー、大電力、高性能化、高信頼性化及び耐環境のMEMS/NEMS実現が期待できる。本研究は、単結晶ダイヤモンドMEMS/NEMSに関する微細加工技術を開発し、新しいナノマシンスイッチを作製した。ダイヤモンドナノマシンスイッチは、マイクロ/ナノマシンで問題となる表面固着はほとんど観測されず、高い再現性および高い信頼性を実現した。
|