研究課題
研究最終年度である平成25年度は,これまでに本研究で開発してきたごく薄いメタマテリアル構造に関して,ア)開発してきたごく薄いメタマテリアル構造の応用に関する研究,イ)曲面および曲げ構造に関する基礎検討,ウ)統括を行った.ア)に関しては,これまで開発してきた平面構造でごく薄い構造のメタマテリアルに対し,その近傍に実際にアンテナ等の波源があるモデルの解析を行った.解析モデルは,有限のメタマテリアル構造の近傍に平面のパッチアンテナがあるモデルである.本研究では小形で高利得のアンテナを開発することを目的とするため,このモデルにおいて指標は,アンテナ利得とした.その結果,広帯域において利得が向上する事が分かった.さらに,これら検討を通して解析には非常に多くの時間が掛かることが分かったために,効率よくシミュレーションを行う手法に関する検討も行った.ここで開発した手法は,FDTD法においてメタマテリアルとアンテナとを統一的にシミュレーションできる手法であった.これは従来の高速解法は,アンテナとメタマテリアルを別途に取り扱う手法であったため,ここで開発した手法は効率的に解析できると言える.イ)に関しては本研究で開発してきたアンテナの曲面および曲げ構造への応用を行う事を目的に,シミュレーション手法の開発を行った.折り曲げ構造においては,非常に複雑な構造となることが予想されるために,これまでのシミュレーション手法では解析精度の低下が起きると予想される.この問題に対し,FDTD法をベースとした高精度開発手法の開発を行った.ウ)統括においては,これまで得られた知見を整理するとともに国内外の研究者と議論を行った.その結果,本研究で開発を行った構造は非常に有意義であるとの結論に至った.
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IEICE Comunication express
巻: Vol.2,No.5 ページ: 211-216
10.1578/comex.2.211