研究課題
本研究課題では、ミリ波帯超高速無線通信に向けた高効率アンテナ一体型チップに関する研究を行った。従来、ミリ波帯オンチップアンテナは導電性シリコン(Si)基板の損失のために放射効率(アンテナへの入力エネルギーのうち、放射に寄与するエネルギーの割合。他は熱損失となって消えるエネルギー)が非常に低いことが知られていた。本課題は放射効率低下の問題点を追及して原因を調べ、改善して高効率なオンチップアンテナの実現を目指すことを目的とするものである。本研究課題で得られた成果は次のようである。Heイオン照射により、Si基板が高抵抗化されることが知られている。Si基板へのHeイオン照射によって抵抗率10Ωcmの基板を1kΩcm以上にすることができることを実験で確認し、スパイラルインダクタの特性(Q値)が向上することを実測およびシミュレーションで確認した。また、オンチップダイポールアンテナの利得は3~4dB程度改善して60GHz帯において-2~-4dBi程度の利得のアンテナが実現できることを実験で確認した。今後、近接無線通信およびチップ間通信のアンテナとして実用化することが期待できる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) 備考 (2件)
IEICE Trans. Electronics
巻: E98-C ページ: 304-314
IEEE Transactions on Antennas and Propagation
巻: 62 ページ: 5386-5388
10.1109/TAP.2014.2342757
http://www-antenna.ee.titech.ac.jp/~hira/research/
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