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2012 年度 実施状況報告書

経済実験によるプロダクトサービスシステムの構成原理の追究

研究課題

研究課題/領域番号 24760309
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

西野 成昭  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90401299)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードサービス工学 / 実験経済学 / システム工学 / エージェント / 生産工学
研究概要

24年度は、プロダクトサービスシステムに関する実社会の現状調査を行い、それらをもとにプロトタイプモデルを構築した。
(1) 製造業のサービス事業への展開に関する実態調査とカテゴリー分類:
プラットフォームタイプの形式を持つ事業形態のものを中心に、パーソナルコンピュータ (Win, Mac)、オペレーティングシステム (Win, Mac, Linux, Android)、ホームビデオゲーム、携帯電話、スマートフォン、電子書籍、組み込み型一般家電を対象に、分類分けを行った。デバイス製造者、プラットフォーム(ハード)提供者、コンテンツ提供者、コンテンツ販売プラットフォーム(ソフト)提供者といった、意思決定主体の視点で構造を書き出し、その役割の違いによって適切にカテゴリーに分けることが出来ている。
(2) プロトタイプモデルの構築:
上記(1)の調査結果・カテゴリー分類に基づき、生産者(デバイス製造業者)、製品/サービスコンポーネント提供者(コンテンツ業者)、プラットフォーム提供者を構成要素としたプロダクトサービスシステムのモデルを構築した。それぞれの行動主体が担う役割の組み合わせ方により、5種類を基本モデルとした。さらに、各モデルについて、各役割を別主体が担っている場合において、ゲーム理論的なアプローチで均衡解を導出し、社会的余剰、生産者利益の観点から考察し、生産者がプラットフォームから独立して製品製造・販売を行う形態では、利益増加が難しいことが明らかになっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、実社会のプロダクトサービスシステムの調査と、基本モデルの構築が出来ており、概ね順調に進んでいると言える。ただし、次年度に予定している経済実験のためのアプリケーション開発は本年度から着手する予定で進めていたが、この点についてはやや遅れている。この対応に関しては、次年度に十分に挽回可能なレベルであり問題は生じないと考えている。

今後の研究の推進方策

今後の予定としては、平成25年度は当初の研究計画通り、経済実験とマルチエージェントシミュレーションを実施する。すでに本年度で基本モデルの構築ができているので、それに基づいた実験を行い、理論的に得られた均衡解との一致や乖離について詳細に調べる。実験実施において困難な点は、サービスの性質をどのように扱うかであり、無形性、同時性、異質性などの特徴により利用する場で生産と消費が行われ様々な価値が生み出されるため、サービスシステムの利用者をモデル内に陽に取り入れて考える必要がある。経済実験はそのために必要不可欠であるが、実験でどのようにそれらの性質を組み込むかは、慎重に検討しながら研究を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、本年度の成果報告に関する出張旅費と、経済実験に係る謝金支払いを主として使用する計画をしている。旅費については、海外旅費1回分、国内旅費2回分で、約50万円を使用する予定である。経済実験では、実験でのパフォーマンスによって支払額が異なるため正確な見積は出来ないが、1人あたり平均4000円計算で、少なくとも60人以上の被験者での実施を計画しており、謝金額合計24万円(60人で概算)に加え、実験補助や諸経費を合わせて40万円程度を予定している。残りの予算は消耗品や英文校正などに充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Categorization and mechanism of platform-type product-service systems in manufacturing2012

    • 著者名/発表者名
      Nariaki Nishino, Sihui Wang, Nobuyuki Tsuji, Kazuro Kageyama, Kanji Ueda
    • 雑誌名

      CIRP Annals - Manufacturing Technology

      巻: 61 ページ: 391-394

    • DOI

      10.1016/j.cirp.2012.03.053

    • 査読あり
  • [学会発表] Mechanism of Decision Making in Membership Services under Competitive Circumstances2012

    • 著者名/発表者名
      Ryohei Kitagawa, Nariaki Nishino
    • 学会等名
      4th CIRP International Conference on Industrial Product Service Systems
    • 発表場所
      AIST Tokyo Waterfront, Tokyo, Japan
    • 年月日
      20121108-20121109

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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