研究課題/領域番号 |
24760320
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
宮城 加津也 琉球大学, 工学部, 助教 (50512688)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フォトニック結晶ファイバ |
研究概要 |
研究目的である高効率スーパーコンティニューム(SC)光発生と条件について検討するため、実測評価と数値解析を用いて電磁界分布を解析し、またSC光源の発生に関する応答特性の検証を行った。 具体的には、構造の異なる数種類のフォトニック結晶ファイバ(PCF)を実際に準備し、それらの非線形定数、実効断面積(モードフィールド径)に関する実測評価を行った。 また上記の検証を行うために有限差分法(FDM)による電磁界分布解析を行い、実測結果/数値解析による双方向評価を行うことで良い結果を得る事ができたため、学術論文誌への投稿(採録)を行った。 前年度の後半より「非線形シュレディンガー方程式」を用いた解析ソフトを作成することで、短光パルスレーザー光を各種構造の異なるPCFへ入射した場合の応答特性の検証を行った。ここでは、短光パルス光の特性(波長、パルス幅や、繰返し周波数)と各種PCFへの相関性について検討を行うことで、応答特性であるSC光源発生条件についての数値解析を行っている。 平成24年度後半には、光学部品メーカの協力のもとで実証検証によるSC光発生実験に(一部)成功/光学軸の試作を行った。そこで琉球大学においては、詳細な検証を行うため、数値解析によって得られたSC光源発生条件などを実験で確認するために、研究協力者(琉球大学理学部)と共に、実際にフェムト秒レーザー光源を各種PCFに入射させる光学軸(システム)を再構築し、平成25年度の早期に、SC光源発生に関する評価実験を行う。この様に申請時の研究計画とリンクした研究計画を進めています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PCFに関して試作品を無償(一部有償)提供して頂き、そのPCFを本研究グループ独自の評価技術(実測と数値解析)により、より詳細かつ貴重な基礎データを早期に得る事ができた。そこで双方向評価による貴重な結果を、学術論文誌への投稿(採録)を行うことができた。さらに「非線形シュレディンガー方程式」を用いたSC光源発生に関する数値解析ソフトも早期に構築することができたため、「入射光(パルス幅、光強度)とPCF構造パラメータ」の相関に関しても容易に解析ができる環境を得る事ができた。 また研究協力者(琉球大学理学部)の配慮も非常に大きく作用しており、フェムト秒ファイバーレーザを無償で使用する研究環境を得る事ができ、実際にSC光源発生に関する実験に取り組んでいる状況です。さらに本年度(平成25年度以降)に行うSC光源の応用に関する研究に関しても、研究協力者(琉球大学熱帯生物圏研究所)とも研究計画/対象に関しての技術協力/相談を定期的に行い、その研究環境も整いつつあります。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(平成25年度)には、実際にSC光源を発生させ、その安定度や、帯域幅などの評価を行う。その際に、分光器や光強度計などは、申請者(琉球大学工学部)で保有した計測器を用いる。 またSC光源の応用に関して、赤外帯域を有効活用した「低侵襲・高分解能」に対象物(細胞・ミジンコなどを検討中)を解析するシステムの構築を行う。その際、光学部品(光フィルター、レンズや、光学軸)などの技術的な相談は、申請者が共同研究をした経験より(株)オプトクエスト社を予定している。 さらに、生細胞の取扱いなどに関する技術相談や、分解能などの評価に関する検証に関しては、琉球大学(熱帯生圏源研究所)に依頼し、その研究環境などは整備しています。
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次年度の研究費の使用計画 |
SC光源の応用研究として、赤外帯域を「顕微鏡」に応用する研究計画をしています。 そこで、顕微鏡システム(光フィルタ、光学軸や、光イメージング)に研究費の使用を行います。 光フィルタに関しては、(株)オプトクエスト社、また光学軸などの部品は、(株)エドモンド・オプティクスや、(株)ソーラボ社を予定しています。
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