研究課題/領域番号 |
24760320
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
宮城 加津也 琉球大学, 工学部, 助教 (50512688)
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キーワード | フォトニック結晶ファイバ / 非線形光学効果 |
研究概要 |
平成25年度の研究成果は、構造特性の異なる数種類のフォトニック結晶ファイバ(PCF)の伝送特性を実測(PetermannIIと自己位相変調法)と数値解析(有限差分法)を用いて双方評価を行った.その結果、複雑な構造特性を有するPCFの伝送特性(電磁界分布)の評価に成功し、構造特性と伝送特性の相関性に関して示した. また非線形シュレディンガー方程式を用いた数値解析のプログラムをMatlabを用いて新たに作成を行い、それを用いて上記のPCFに短光パルスを入射した場合の広帯域光源(SC光源)応答に関するシミュレーションを行った.その結果、各種構造特性の異なるPCFにおけるSC光源発生に関する数値解析に成功した.さらに上記のPCFのうち、ファイバー長が500メートル(ゲルマニウム添加コアPCF)と1000メートル(純石英コアPCF)に関しては、非線形定数(n2/Aeff)非線形屈折率(n2)と波長分散(D)の評価に成功した. 平成25年度の研究成果より得られた意義としては、複雑な構造のPCFの光伝送特性の研究報告として、実測と数値解析の双方向評価に成功と、その一部の非線形定数と非線形屈折率の実測に成功したことである. また本研究によって、国際電気通信連合(ITU-T)の基準測定法を用いたPCFの伝送特性(電磁界分布)を明確化する事が出来た.これによって新たにPCFの構造設計を行う場合に、これらのPCFの伝送特性(電磁界分布)の把握を容易に行うことができることは、本研究によって明らかにした重要点である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
フォトニック結晶ファイバ(PCF)の構造特性と伝送特性(電磁界分布)の相関性に関して示すことができ、また非線形シュレディンガー方程式を用いた超広帯域(SC)光源の応答に関して、シュミレーションを用いて示すことができた. しかし、実際にPCFに短光パルス(fs:フェムト秒)を入射させ、実測とシュミレーションとの比較検討には至っていない。これには、短光パルス光源を保有する研究協力者との調整が若干遅れており、その調整を急ぐ必要がある.またSC光源を顕微鏡への応用も遅れており、これらの2つの要素の再検討を急ぐ必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
最優先事項として、研究協力者と、短光パルス光源の調整を行う.もう1つの案として、SC光源を別手法により発生に成功した研究協力者が別に居るため、彼らとの再度調整を行うことで、SC光源の一時貸与を検討する. また上記のSC光源を用いて、生細胞顕微鏡との融合について再度検討を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、予定していた研究計画より遅れをとったため、予算が残ったと考えられる. 再度、研究計画の見直しを行い、研究遂行のため的確に予算を使う.また広帯域光源を顕微鏡への適応について検証を行うことで、研究計画(予算)を正しい方向に修正を行う. 平成26年度では、広帯域光源を顕微鏡への適応について検証を行い、またその画像処理に関して、研究資金を活用する予定.
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