研究課題/領域番号 |
24760322
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
折本 寿子 (益池寿子) 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (80533207)
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研究期間 (年度) |
2013-02-01 – 2018-03-31
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キーワード | 機械の異常診断 / 外来雑音 / 複数異常 |
研究実績の概要 |
■外来雑音下での複数異常が発生した場合の状態推定 平成25年,26年度に導出した推定アルゴリズムに対して外来雑音と複数異常状態を考慮した新たなアルゴリズムの考察および実験を行った.機械の異常バターンとして,歯車に傷がある場合,ベアリングに傷がある場合,ベアリングにひずみがある場合の各一つ異常が発生している状態に加えて,2つ同時に異常が発生した3パターン(歯車の傷・ベアリングの傷,歯車の傷・ベアリングのひずみ,ベアリングの傷・ベアリングのひずみ)の実験を行った.異常を表す状態編巣を増やし,理論を拡張することで異常診断を実現した. 具体的には,正常な状態のデータと単一異常が発生した場合のデータ,同時に2つ異常が発生した場合のデータを用いて,それぞれ状態変数との相関情報を係数で導き出す.その後,相関情報を抽出したデータとは別の時系列データを用いて,異常診断を実施する. 正常な状態データと導き出した係数との相関を確率的に表した場合,正常な状態を表す係数と相関が最もあり,結果として正常を表す確率が大きくなる.同様に,歯車に傷が存在する異常が発生した場合,歯車の傷が異常であることを示す係数と相関が現れるため,その確率が大きくなることで,異常を検出することができる. よって本研究では,機械の異常有無だけでなく,異常の種類を検出することにも成功した.本件に関して,国際学会で発表している.また,論文投稿することで研究成果を公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的としていた,音と振動のデータから機械の異常診断を行うアルゴリズムを考察し一定レベルの実験結果を得ることができた.(正常・異常の情報をもとにした異常診断.正常情報をのみを利用した異常診断.複数異常が発生した場合の異常診断)しかしながら,更なる推定制度の向上の兆しを感じられたため,算出したアルゴリズムに対し最適な高次情報を与える,新たなアルゴリズムの考察を行う.
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今後の研究の推進方策 |
推定制度の向上を目指し,最適な高次情報を考慮したアルゴリズムを考察する.具体的には,推定アルゴリズムを導出する際に打ち切りにしていた高次の相関情報を加えることで推定式に与える情報量を増やし推定制度を向上させる.また,28年度に取得したデータをもとに実験を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は,ほぼ予定通りに使用した.経過年度において,未使用分が余りとして計上されている.
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次年度使用額の使用計画 |
国際会議への参加と,論文別刷り費用に計上する.
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