研究課題
本研究の目的は,電子制御用ソフトウエアの安全検証問題に対して,量子化制御からアプローチした安全解析・安定化アルゴリズムを構築することである.平成26年度は制御アルゴリズムの高機能化と高速化,実機実験の高精度化,そして論文として研究成果の執筆をおこなった.制御アルゴリズムの高機能化として,「ノミナル制御器と動的量子化」の同時設計条件の導出を行った.導出条件は平成25年度までの条件と比較して複雑化しているが,従来結果と比較して幾つかの制御性能を改善することができている.連続時間条件を国際学会1件で,離散時間条件を英語学術論文1本で報告した.この二つの結果を統合したサンプル値条件を国際学会1件で報告した.制御システムのクラスを拡張するために,入出力量子化を有するシステムに対する同時設計条件を導出し,国内学会1件で報告した.また,多項式型非線形システムに対する動的量子化器の設計手法を考慮した.不変集合解析と入力状態安定性の類似性を利用し,2乗和多項式に基づく数値最適化問題を導出した.本成果は国際学会1件に採択され,発表予定である.空間量子化としての派生研究である自律無人搬送台車の搬送スケジュール最適化では,モデル予測制御を用いた高速化アルゴリズムを提案した.本成果を国際学会1件で報告し,同会議のBest Application PaperのFinalistに選ばれた.また,高速化計算のためのモデル簡易化手法を提案し,国際学会1件で報告した.同成果は英語学術論文1本として投稿中である.実験面では組込系を主軸に,CPUの計算負荷を考慮した制御アルゴリズムの構築に従事した.平成25年度で開発したトランクションコントロールにおける高速滑り検出手法を滑り制御に拡張した.同アルゴリズムが滑りやすい路面であってもそうでない路面と同程度の位置制御を達成できることを実機実験により確認した.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件)
SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
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