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2013 年度 実施状況報告書

モデルフリー強安定系の構成法

研究課題

研究課題/領域番号 24760337
研究機関岡山大学

研究代表者

矢納 陽  岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (70351658)

キーワードモデルフリー / 強安定 / 予測制御法 / 最小分散制御法
研究概要

プロセス制御分野では現在もPID制御が中心であるが,この分野では,技術の高度化に伴ってモデル予測制御の適用が進められている.申請者はこれまで,制御対象のモデルが正確に分かることを前提として,制御系の安全性を高めるために既約分解を用いた強安定予測制御系の構成に関する研究を進めてきた.これに対し,本研究の目的は,すでに運転されている制御系の入出力データおよび目標値信号を利用してモデルフリーな強安定系を構成する手法を開発すること,および強安定率という新しい概念を提案することであった.そのため,前年度に引き続き,平成25年度はこの2点に関する研究をまず行った.具体的には,既約分解表現を利用して強安定率の定式化を行った.さらに,セルフチューニングコントローラを構成し,それによって得られる制御系に対して強安定率の推移を検討した.本検討のポイントは,(1)制御系の安全性が強安定率の推移によって定量的に示される点(2)強安定系がセルフチューニングコントローラによって構成される点,にある.これらは,安定かつ安全なモデルフリー強安定系の構成という点で重要な意味を持つ.また,プロセス制御分野以外への適用も視野に入れ,ロボティクス分野の一つとしてヒューマノイドロボットの歩容生成に関する研究も行った.本研究ではヒューマノイドロボット全体のモデルに依存することなく,股関節および膝関節のトルクを生成させ,安定した歩行が実現できることを確認した.このように多角的な面からモデルフリー強安定系の構成法について検討を行い,それらの成果については国内外の会議で報告した.今後も引き続き,モデルフリー強安定系の構成法に関する研究を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績にも記述したように,強安定率の概念を新たに提案したため.また,セルフチューニングコントローラによって得られる制御系の強安定率の推移を示すとともに,強安定系が構成できることを示したため.

今後の研究の推進方策

これまでと同様に,研究が思うように進まない場合は,問題設定を単純化する.具体的には制御対象の次数低減化や1入力1出力系への限定などによって研究課題を推進する.

次年度の研究費の使用計画

25年度,研究中に制御法の有効性を検証するため,非線形系の実験装置を作成する予定であったが,パソコンとマイコン間の通信プログラムの作成に当初計画していたよりも時間を要したため,完成に至っていない.そのため,未使用額が生じた.
このため,未使用額は実験装置作成に対する消耗品費および論文掲載料に充てることとしたい.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Continuous shape-grinding experiment based on model-independent force / position hybrid control method with on-line spline approximation2013

    • 著者名/発表者名
      Akira Yanou, Mamoru Minami and Hiro Tanimoto
    • 雑誌名

      Artifcial Life and Robotics

      巻: Vol.18, No.3-4 ページ: 219/227

    • DOI

      10.1007/s10015-013-0119-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 入出力データに基づくアルミ板温度制御実験装置への2自由度一般化予測制御系の構成

    • 著者名/発表者名
      吉川浩平
    • 学会等名
      システム制御情報学会研究発表講演会
    • 発表場所
      神戸
  • [学会発表] Extended Self-tuning Generalized Predictive Control with Computation Reduction Focused on Closed-loop Characteristics

    • 著者名/発表者名
      Akira Yanou
    • 学会等名
      Proceedings of the 11th IFAC International Workshop on Adaptation and Learning in Control and Signal Processing
    • 発表場所
      Caen, France
  • [学会発表] 既約分解表現を用いた制御系に対する強安定率の概念の提案

    • 著者名/発表者名
      矢納陽
    • 学会等名
      第3回コンピューテーショナル・インテリジェンス研究会
    • 発表場所
      大阪
  • [学会発表] A First Step of Humanoid's Walking by Two Degree-of-freedom Generalized Predictive Control Combined with Visual Lifting Stabilization

    • 著者名/発表者名
      Akira Yanou
    • 学会等名
      Proceedings of the 39th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society (IECON2013)
    • 発表場所
      Vienna, Austria
  • [学会発表] 強安定率を用いたセルフチューニングコントローラの一設計法

    • 著者名/発表者名
      矢納陽
    • 学会等名
      計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2013
    • 発表場所
      滋賀

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公開日: 2015-05-28  

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