未知方程式の解を雑音が含まれる残差から求める逐次解法である確率近似法について、事前情報のみを用いた停止則の構成が可能かについて研究をおこなった。具体的には、アルゴリズムが出力する解の推定値の確率的な精度を任意に指定するとき、精度とそれを達成するために必要な反復回数との関係を具体的に示した。アルゴリズムの実行前に必要な反復回数が分かることは実用上の意味から有用であるだけでなく、この停止則を用いる場合の確率近似法で実行される反復回数と問題サイズとの関係、つまり確率近似法の計算複雑さに対する精密な知見も与えている。
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