下水道施設の老朽化が進み,コンクリート製下水道施設では予定供用期間50年より早期で劣化する事例が多数報告され,重大な問題となっている。しかし,従来の点検手法では下水管のコンクリート内部の変状を確認することが難しく,下水管の余寿命を明確に示すことは困難である。 本研究では,長期間供用された下水管に対して実施した劣化調査を基に劣化診断の方法について検討した。その結果,管内面からのドリル穿孔を用いた内視鏡カメラ観察により,コンクリート内部の劣化状態を把握できることを利用し,これに基づいた下水管の余寿命予測の手法について提案した。さらに,コンクリート製下水管の劣化診断フローを提案した。
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