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2012 年度 実施状況報告書

RC橋脚の非線形応答特性を反映した地震動強度指標の開発と地震時損傷リスクの定量化

研究課題

研究課題/領域番号 24760360
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

松崎 裕  東北大学, 工学研究科, 助教 (10506504)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード地震動強度指標 / 非線形応答 / 位相特性 / RC橋脚 / フラジリティ曲線
研究概要

従来、地震による構造物の被災率の評価、構造物の耐震安全性評価や交通機関の運転規制の判断に用いる地震動強度指標としては、地表最大加速度等の地震動の最大振幅、計測震度、加速度応答スペクトルやSI値等の弾性応答に基づく指標が用いられてきた。しかしながら、これらの地震動強度指標には構造物の非線形の地震応答特性が反映されていないため、構造物の被災率との乖離や大きなばらつきの介在が避けられず、地震直後の迅速な被害把握に十分に活用できるものではなかった。弾性加速度応答スペクトルが等しい地震動時刻歴であっても、群遅延時間で表される地震動の位相特性の違いにより、構造物の非線形最大応答変位は有意に異なることが指摘されており、地震動強度指標に地震動の位相特性を考慮することで、構造物の非線形応答特性を適切に反映させられると考えられる。
そこで、平成24年度は、構造物の非線形応答を評価する際に重要となる固有周期帯における地震動の弾性応答加速度の平均値と、同周期帯における地震動の位相特性として群遅延時間の標準偏差のそれぞれを反映した地震動強度指標を提案した。さらには、既往の強震記録群を用いたRC橋脚の動的解析と振動台実験により、提案した地震動強度指標により最大応答変位を精度よく推定できることを示した。
また、提案した地震動強度指標に基づき、現行の道路橋示方書によって設計されたRC橋脚のフラジリティ曲線を算定した。その結果、構造物の振動特性が未考慮である地表最大加速度や弾性応答特性のみを考慮した応答加速度を地震動強度指標とした場合に比較して、構造物の非線形応答特性が反映されている提案指標の場合には最大応答変位の推定精度が向上して、最大応答変位のばらつきが有意に小さくなることから、フラジリティ曲線の傾きがより急になっていることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究実施計画では、RC橋脚の非線形応答特性を反映させた地震動強度指標の開発と、開発した指標に基づくRC橋脚の被災率の評価を行う予定であったが、これら所期の目的を達成できたことから、概ね順調に研究計画を遂行することができたと考える。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、平成24年度に開発した地震動強度指標に基づいて、各年代の耐震基準により設計されたRC橋脚の耐震性を被災率として定量化し、年代別の設計基準によるRC橋脚の地震時損傷リスクを評価する。その上で、定量化されたRC橋脚の地震時損傷リスクを判断材料として、耐震補強優先度の決定や大地震直後に被害を迅速に把握することに向けた検討および課題の整理を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴って発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 振動台実験に基づくRC橋脚の地震動強度と最大応答変位の関係に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      笠原康平、長谷川俊、上田博之、松崎裕、鈴木基行
    • 学会等名
      平成24年度土木学会東北支部技術研究発表会
    • 発表場所
      東北大学(仙台市)
    • 年月日
      20130309-20130309

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公開日: 2014-07-24  

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