研究課題/領域番号 |
24760384
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
崔 瑛 名城大学, 理工学部, 助教 (60583797)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | トンネル掘削 / 小土被り / 傾斜地山 / 不良地山 / 地震時挙動 / 補助工法 |
研究概要 |
本研究の目的は,坑口部や小土被り部分,不良地山区間,断層が介在する部分など,地質不良区間に掘削するトンネルを対象に,トンネル掘削時および地震時における覆工と周辺地山の力学挙動を明確にすることである。H24年度は,模型実験および数値解析を行い,小土被り地山および傾斜地山にトンネルを掘削する場合,トンネル掘削時におけるトンネル覆工と周辺地山の力学挙動について検討を行った。 模型実験では,アルミ積層体を用いてトンネル掘削を模擬する2次元模型実験を実施し,土被りおよび傾斜角度がトンネル掘削時における地山とトンネル覆工の力学挙動に及ぼす影響について検討した。結果,土被りが小さいほどトンネル掘削に伴う地盤沈下は大きくなるが,沈下領域は狭くなることが確認できた。さらに,傾斜角度が大きくなるほど,沈下範囲が広くなり,傾斜地山にトンネルを掘削する際には地すべりが発生する恐れがあるという知見を得た。 数値解析では,小土被り未固結地山にトンネルを掘削する際,切羽安定対策として採用される事前地山改良工の効果と,トンネル掘削時における掘削地盤と改良地山,トンネル覆工の力学挙動について検討した。結果,事前地山改良工を施すことにより,地盤沈下を抑制することができ,トンネルの安全な掘削が確保できるが,とも下がり現象やW型沈下など様々稀な現象が発生し得ることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下記の理由により,本研究はおおむね順調に進展していると考えれらる。 ①トンネルの地震時における力学挙動を検討するための,2次元アルミ積層体せん断土槽の設計および製作が完了している。 ②模型実験および実現場を対象とする数値解析のための,解析手法の確立が完了している。 ③設計基準の提案および実現場を対象とする数値解析のための,データ収集も予定どおり進められている。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は,H24年度に製作したせん断土槽を用いた模型実験と,数値解析を通じ,地震時における地盤とトンネルの力学挙動について検討する予定である。詳しくは下記の項目を実施する予定である。 (1)強震による繰り返し載荷を模擬した模型実験とその数値解析 (2)実現場を対象とする動的解析(FEM) (3)トンネルの耐震性能の評価方法と耐震補助工法の設計方法の提案
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度の研究費用は,主に解析用パソコンの増設,現場データ収集のための調査費用,投稿論文の校閲および投稿費用等に充てる予定である。
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