近年日本では,都市域における短時間強雨による被害が顕著である.その予測精度向上を目指して本研究では,研究代表者らがこれまでに開発してきた都市域における加熱と摩擦を詳細に考慮した雲解像気象モデルに,新たにエアロゾル(大気中の微粒子)の影響を組み込んだ短時間強雨予測手法を構築した.さらに2012年8月12日大阪における短時間強雨を対象に構築した手法を適用し,数値実験によりエアロゾルが短時間強雨予測に与える影響を検討した.その結果,現実的なエアロゾル分布を考慮した実験では降水量が大阪平野南部で増加し,日本などの湿潤地域では,エアロゾルの影響により降水が強まる事例がある可能性が示唆された.
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