研究課題/領域番号 |
24760394
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
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キーワード | 掃流砂 / 浮遊砂 / 土石流 / 泥流 / 河床変動 / 平面二次元河床変動解析 / 一流体モデル |
研究概要 |
流砂の形態には,掃流砂・浮遊砂・ウォッシュロード・土石流・泥流が存在する.ウォッシュロードの定義は非常に曖昧であり,輸送形態は浮遊砂と同様と考えられるため,これらをまとめて浮遊砂とする.掃流砂と浮遊砂の関係は,土石流・泥流の関係と同一であり,流砂の層がすべて層流で形成されているのが掃流砂と土石流であり,流砂の層が層流と乱流で形成されているときの乱流域の流砂形態が浮遊砂と泥流である.掃流砂と土石流の力学機構の違いは無く,掃流砂の方が緩勾配域で形成され,流砂が流れていない清水域が多い.浮遊砂と泥流の力学機構の違いも無く,浮遊砂の方が緩勾配域で形成されて土砂濃度が低い.このような取り扱いのもと,河床近傍に層流域,その上に乱流域を有する二層流による泥流の流動形態を考え,泥流の抵抗則と泥流を伴う土石流(層流域)の流動層厚の式を提案し,昨年度作成した一般座標系による平面二次元の河床変動解析モデルに導入し,2013年10月に伊豆大島で発生した泥流現象の数値シミュレーションを行った.泥流現象の再現性は良好であるが,提案した土石流(層流域)の流動層厚の式の適用領域が現時点ではあまり広くないと思われるため,より普遍性のある式への展開が必要な状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画を一部入れ換えたが,研究はおおむね順調に進展している.当初予定通り,2014年度末までには,当初の研究目的に到達するものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の順番を一部入れ換えた.当初は,2012年度に既存の流砂の構成側を用いてDNSを行い,浮遊砂と掃流砂の遷移領域の現象を明らかにし,鉛直平均モデルのための基礎的な知見を得る計画であったが,先に,2014年度に予定していた鉛直平均モデル(平面二次元河床変動解析モデル)を構築した.これにより,2014年度は,流砂の構成側を用いてDNSを行って土石流と泥流の遷移域の減少を明らかにし,土石流(層流域)の流動層厚の評価を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
解析の一部を2014年度に実施することとしたため,解析に必要な経費を次年度使用額とした. 解析に用いる物品や情報収集に使用する.
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