衛星搭載合成開口レーダ(SAR)は海洋の新しい物理現象を映し出す。SAR画像は海洋表面の粗度(さざ波)を捉えていることから、これら「さざ波」の物理過程を理解し、定量的に評価することは極めて重要となる。本研究ではさざ波エネルギーの推定方法の確立に成功するとともに、力学バランスが波数帯によって異なることを発見した。また新たなエネルギーソース項を数値海洋波浪モデルに導入する(Tamura et al. 2010,JGR-Oceans)ことで、これまでは再現不可能であった高波数領域におけるスペクトル形状の定量的評価に成功した。
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