研究課題/領域番号 |
24760408
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
日下部 貴彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80604610)
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キーワード | 交通工学 / ネットワーク / 移動体通信 / プローブパーソン調査 |
研究概要 |
本研究では,GPSを搭載した高性能な移動体携帯端末(スマートフォンなど)を用いることで,PP (Probe Person)調査及びSP (Stated-Preference)調査を組み合わせた調査手法を発展させることにより,調査時の被験者の時間・空間に関する認知や記憶の誤差等によるバイアスを軽減させるための手法を構築することを目的としている. 平成25年度は,平成24年度に構築されたシステムの調査プラットフォームの要件整理結果と高機能携帯端末(スマートフォン)を用いた移動軌跡収集システムをもとに,調査プラットフォームの改良を行うとともに,インタラクティブな行動調査で取得されたSP調査データの分析のための行動モデルの構築に関する検討を行った.調査プラットフォームの改良では,「設問の自動生成方法構築・設問の提示方法の構築」を行い,SP調査の対象と判別されたトリップに対する設問の生成方法を検討した上で,前年度構築したシステムに組み込み,統合した.行動モデルの構築では,加速度センサ等のデータを用いて行動判別を行う方法について検討した.これにより,次年度実施予定の検証のための調査実験に必要なシステム及びモデルの下地が一定程度整った.また,国際会議(International Symposium on Recent Advances in Transport Modelling (OPTIMUM 2013))に参加し,これまでのモデル構築の成果の発表を行うとともに,資料収集を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究計画である,[1] 設問の自動生成方法構築・設問の提示方法の構築,[2] インタラクティブな行動調査で取得された調査データの分析手法構築は,それぞれについておおよそ計画通りに進捗しているが,前年度の高機能携帯端末のOSバージョン等の更新によるプロトタイプシステムの改修に伴い,やや遅れがでている.具体的には,設問の自動生成方法について,今後,より高い精度の確保が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
前年度の成果を踏まえ,平成26 年度は下記について研究開発を進める. [1] システムの改良 [2] 行動モデルの改良 [3] 検証のための調査実験の設計・実施 具体的には,前年度検討した行動モデルが既往の方法に比べ,空間・時間認識に関するバイアスを軽減することができているかを確認するために,平成24・25年度に構築したシステムをもとに,具体的な交通行動調査を設計し,調査を実施する.具体的には,日常行動中に発生した災害時における避難行動に関するSP調査を実施する予定である.調査対象者は,20名程度を想定している.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は,外注を行わずにシステム開発を行ったため生じている. 平成26年度には,システムの改良に際して,大学院学生による実験及び数値計算の補助,および資料整理の補助が必要である.研究成果のとりまとめと発表を行う予定であり,国内旅費,外国旅費を使用する予定である.土木計画学研究発表会など国内の学会や海外でのワークショップにおける研究成果を検討している.追加の資料収集のために国内旅費を使用する予定である.また,検証実験を実施するために謝金等の支払いを予定している.
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