本研究では,GPSを搭載した高性能な移動体携帯端末(スマートフォンなど)を用いることで,PP (Probe Person)調査及びSP (Stated-Preference)調査を組み合わせた調査手法を発展させることにより,調査時のバイアスを軽減させるための手法を構築することを目的としている.平成27年度は,本研究課題の最終年度であり,前年度までに構築したシステムについて,前年度の調査結果を踏まえたシステムの改良と行動モデルの改良を行った.具体的には,質問を生成するタイミングや生成のための状況判別のアルゴリズムの改良および行動判別に必要な変数について再検討を行った.これにより,インタラクティブな行動調査プラットフォームの有効性やカスタマイズされた設問の自動生成に関する検討を行うことができた.これらの結果をまとめ,交通行動に関する国際ワークショップThe 14th International Conference on Travel Behaviour Researchや米国The 95th annual meeting of Transportation Research Boardで発表を行った.また,交通行動データの収集・分析で著名なスイス連邦工科大学チューリッヒ校のKay Axhausen教授やチリ大学Marcela Munizaga教授とWorkshop等を通じて交流し,今後の研究成果の発展性についても検討することができた.
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