研究課題/領域番号 |
24760413
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 浩気 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60612455)
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キーワード | 交通計画 / 並列計算 / 交通データ利用 / 有効な交通誘導情報 |
研究概要 |
本年度は,交通データの有効活用方法の検討に関して,高速道路上における道路マネジメントが必要な事象の中でも交通事故発生時に着目したデータ活用方法を中心に検討してきた.また,マルチエージェントシミュレーションの計算負荷の軽減に関する検討も国内における分析対象フィールドだけでなく,海外事例への適用を視野に入れて,Matlabなどの既存アプリケーションでの並列計算処理手法の有効活用についても意見交換を進めてきた.また,交通情報の実需要アンケートという観点では,高速道路上の休憩施設に関する思考や,一般道路におけるカーナビ情報の有効性という観点での調査に関わった. 都市内高速道路の追突事故を対象とした分析においては,対象時間帯を分けて推定した重回帰モデル,共分散構造モデルなどの統計的手法によって交通事故へと至る過程をマクロレベル指標で感知して,注意を促す情報提供をおこなうことにある程度の有効性を見出したものの,事故それぞれの各論での発生要因が必ず存在していると考えられたため,次年度も引き続き詳しい事故発生状況の解析を続け,交通状況予報提供のためのデータ処理プロセスの検討材料と出来る研究を続けていく. 交通流シミュレーションに関しては,実現象での適用に向けて密度の不連続性の課題を改善する必要性が出てきたため,今後も引き続き検討を行っていくこととしたい. 本年度の研究実績としては,上記で得られた成果を用いて口頭発表3件と,海外発表1件へとつなげた.次年度は本研究の枠組みで得てきた交通関連ビックデータの有効活用に向けた知見を実用展開に向けた処理手法へとできるように,研究成果の対外的成果発表や学会での議論を精力的にすることで,研究総括をおこなえるよう継続的に取り組んでいく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,事故データの有効活用方法に関して,検討をおこなってきた. 交通流数理モデルを用いたシミュレーションの実現象の再現妥当性に関しての検討は続けており,執筆中の論文の査読通過を目指して,鋭意努力していく.
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今後の研究の推進方策 |
学内の研究室運営教員である,宇野伸宏准教授・牛島省教授と,引き続き共同で研究を推進する予定である. また,高速道路会社との共同研究プロジェクトとして,交通事故データ解析を進めているため,交通障害発生時の即時的な交通データ活用に関するさらなる検討を進めていきたいと考えている.
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