研究課題/領域番号 |
24760420
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石坂 哲宏 日本大学, 理工学部, 助教 (60453908)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 視距 / 速度低下 / 点群データ |
研究実績の概要 |
本年度は、当初予定した2番目の研究成果である速度低下に影響を与える要因を明らかにすることができた。具体的には、点群データより空間的な閉塞感を客観的に表した視距、アンケートにより数値化したドライバーが感じる閉塞感、走行速度の3つのデータを5m区間の詳細区間ごとに比較分析した。 視距の算出に関しては、膨大な点群データから、短い区間ごとに効率的に視距を算出する方法を構築することができた。 その結果、カーブへの侵入に合わせて視距の低下が起こり、閉塞感も明らかに低下していることがわかり、その結果が速度の低下も同様にみられることがわかった。 また、数量化Ⅰ類分析を用いて、影響度の度合いを明らかにした。アンケートによる閉塞感の影響度が高く、2番目に進入時の速度が影響していることがわかった。次に視距離の結果が影響しているという結果になった。 これまで困難であった視距や道路空間の閉塞感を本研究で構築する道路線形抽出方法で指標化することで、微細な道路要因と運転挙動、速度低下との関連を明らかにすることできた。詳細区間の運転環境状況と速度低下を関連することができたので、道路構造を考慮した走行挙動モデル(追従モデル)の改良やそれを利用した施策の評価が可能になると言える。また、道路の沿道環境に合わせた柔軟な速度規制が可能になるなど、交通工学上重要な成果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、モバイルマッピングの大量の点群データを利用して、空間的な走りやすさを指標としてきた。しかし、大量のデータの、処理やロジックを構築する上で非常に時間を要した。一方、当初予定した速度に関する調査は完了している。また、そのデータ整理も完了している。速度のデータと空間的な走りやすさの解析が現時点で進行している段階にあり、当初予定していた最後の研究の部分である成果の発表に位置している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた下記の成果を取りまとめて、IEEEのITSC2015に論文投稿する予定である。1.高精度GPSを活用してカーブ区間における走行位置の分析により、走行半径と速度低下の関連性に関して。2.点群データを利用して、視距の連続的な算出方法の構築。3.微細な道路要因と運転挙動、速度低下との関連を明らかにすることできた。これらの成果を取りまとめて、論文投稿し、広く研究成果を公表することで、道路の沿道環境に合わせた柔軟な速度規制を検討するなど、今後の研究に発展させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、モバイルマッピングの大量の点群データを利用して、空間的な走りやすさを指標としてきた。しかし、大量のデータの、処理やロジックを構築する上で非常に時間を要した。一方、当初予定した速度に関する調査は完了している。また、そのデータ整理も完了している。速度のデータと空間的な走りやすさの解析が現時点で進行している段階にあり、当初予定していた最後の研究の部分である成果の発表に位置している。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究で得られた下記の成果を取りまとめて、東アジア交通学会並びにIEEEのITSC2015に論文投稿する予定である。 東アジア交通学会は、9月11日から14ににかけてフィリピンのセブで行われる予定である。論文は投稿済みであり、今後の査読結果を待って発表を行う。なお、往復の航空券、学会参加費、宿泊費等に使用予定である。 ITSC2015は9月15日から19日にかけて、スペインのカナリア諸島で行われる予定である。往復の航空券、学会参加費、宿泊費等に使用予定である。
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