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2012 年度 実施状況報告書

音情報と視覚情報を組み合わせたロービジョン者の歩行環境整備に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760425
研究機関兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所

研究代表者

大森 清博  兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, その他部局等, 研究員 (90426536)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードロービジョン者 / 歩行支援 / 路面サイン / バリアフリー
研究概要

本研究の目的は、音声案内と路面サインを積極的に組み合わせたロービジョン者の歩行環境の整備方式構築である。平成24年度は、ロービジョン者に配慮した歩行支援や誘導について研究を行っている研究協力者と研究会を開催し意見交換を行い、侵入方向の違いによる文字の回転や文字の縦書き・横書きの影響も検討すべきという意見が得られた。また、日本福祉のまちづくり学会情報障害特別研究委員会主催の音サインシンポジウム等に参加して音サインの標準化動向について調査した。以上により、次年度実施予定の音声案内と路面サインを組み合わせた歩行支援システムの実験条件の整理を進めた。
次に、フィールドに敷設されている路面サインがロービジョン者に対してどの程度誘導効果があるのか評価実験を行った。ロービジョン者5名を被験者とし、研究代表者の所属機関が敷設に関わっている駅の乗り換え用路面サインを用い、改札口からバス停まで歩行するときの路面サインの評価を行った。その結果、経路上の路面サインの発見率は34%となり、また、敷設場所を知っていれば遠距離でも視認できるが、どこに敷設しているのか探しながら歩くのは難しいことが確かめられた。また、歩行後の聞き取り調査で有効との評価が得られた。さらに、ロービジョン者の特性を明らかにするため、晴眼者9名でも同様の実験を行った。晴眼者については視線検出装置を用い、歩行中の視線を分析した結果、路面サインと吊り下げ看板の間で注視回数に誘差があったが距離と注視時間には有意差が無かった。また、路面サインに気づきにくい原因がロービジョン者と晴眼者で異なり、晴眼者に対しては誘導開始地点での誘目性向上が有効であるがロービジョン者に対しては各地点で誘目性向上が必要になることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究協力者と研究会を開催して路面サインの検討を行うと共に、ロービジョン者を被験者として駅の乗り換え用路面サインを用いた評価実験を行った結果、ロービジョン者の路面サイン活用状況や歩行後の評価について明らかにすることができた。さらに、研究協力者から視線検出装置を借り受け晴眼者に対して同様の方法で追加実験を計画・実施し、ロービジョン者と晴眼者の差異についても明確にすることができた。以上より、次年度の歩行支援システムの評価実験に向けておおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、スピーカ位置、案内文章、路面サインの望ましい組合せの検証を目的として、音声案内と路面サインを組み合わせた歩行支援システムの評価実験を行う。本実験は、照度調整可能な実験室内に屋外歩道を模擬した路面を用意し、路面サインとスピーカ位置、案内文章を組み合わせて、歩行支援システムの誘導性能を評価するものである。路面サインの文字サイズおよび路面サインの形状については、実験前ロービジョン者数名にヒアリングを実施して検討する。実験コースについては、二重床にするなど、被験者がスピーカのケーブルに躓かないように配慮する必要がある。
実験にあたり、ロービジョン者20名程度を被験者とする。被験者の確保については兵庫県や大阪府内で活動している当事者団体と連携をとりながら進めることとする。路面サインから5m離れた地点から、(1)音声案内に従って路面サインを発見し、(2)路面サインを読み取り、(3)事前に指示された向きへ進む、という一連の作業に要する時間、偏軌距離、情報取得の容易さ、誤認識率等により、歩行支援システムの有効性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

該当無し

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Validation of Mobility of Pedestrians with Low Vision and Normal Vision Using Graphic Floor Signs in Railway Station2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyohiro OMORI, Takao YANAGIHARA, and Hiroshi KITAGAWA
    • 学会等名
      12th European AAATE Conference
    • 発表場所
      Vilamoura, Algarve, Portugal
    • 年月日
      20130919-20130922

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公開日: 2014-07-24  

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