研究課題/領域番号 |
24760430
|
研究機関 | 大阪府立大学工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大谷 壮介 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (60554219)
|
キーワード | 河口干潟 / 炭素循環 / ヤマトシジミ / 底質環境 / ヨシ |
研究概要 |
調査対象干潟である淀川河口干潟における二酸化炭素フラックスを明らかにすることを目的に調査を行った.淀川汽水域において右岸,左岸ともに6つの調査地点を設定してヤマトシジミの現存量調査を行った結果,ヤマトシジミの個体数は最大で301 個/0.09m2であった.本研究では上流や下流にヤマトシジミの個数の偏りは確認できなかった.ヤマトシジミの個体数と底質環境の関係について,個体数はORPと統計的な有意な相関関係が認められた. ヨシの現存量は1417~8018 dryg/m2と変化した.ヨシの本数や茎高,葉の枚数は春から秋において増加し,秋から冬にかけて減少しており,ヨシの現存量も同様な傾向を示した.茎高がヨシ全体の現存量の約70~90%を占めていることから,茎高の生長が現存量に大きく寄与しており,生長によって炭素固定していることがわかった. 大気-海水間の二酸化炭素フラックスの変動について,年間を通して放出フラックスが吸収フラックスを上回っており,二酸化炭素は水中から大気に放出していることが推定できた.また,二酸化炭素フラックスは夏季に大きく変動しており,夏季の二酸化炭素フラックスは水温の変化に伴うpH・DOの変化を受け,主に生物的要因の影響を受けていると示唆された.さらに,堆積物における二酸化炭素フラックスについて,明・暗チャンバーを用いて有機物が微生物によって分解される時に発生する二酸化炭素と付着藻類によって吸収される二酸化炭素濃度の時間変化を計測して,二酸化炭素は吸収される結果を得た.二酸化炭素フラックスは地温との間に統計的に有意な正の相関関係が認められた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
毎月の現地調査を継続的に行うことができており,データを蓄積することができた. 堆積物における二酸化炭素フラックスの計測を行えるようになった.
|
今後の研究の推進方策 |
現地調査を継続的に行うことで季節変化の解析を実施する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
毎月2回の調査予定で旅費を計上していたが,予定していた調査回数よりも少なく済んだため. 研究対象としている干潟は潮汐を有しており,干潮時でないと調査ができないため,そのことを考慮して使用計画を立て調査旅費として使用する.
|