研究課題/領域番号 |
24760437
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川上 周司 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (00610461)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境微生物 / FISH法 / in situ HCR法 |
研究概要 |
汚染物質の浄化、地球温暖化ガスの固定、持続可能なエネルギーの創出に大きく関わる微生物資源を有効に利用するためには、さらなる微生物の理解が必要不可欠である。多くの微生物が人為的に分離培養できない現状において、近年発展著しい分子生物学的アプローチは有効である。さらに微生物細胞を遺伝子の運び屋として捉え、細胞のまま解析を行うシングルセル解析は、培養を伴わない解析手法として近年注目を集めている。本研究ではシングルセル解析のさらなる発展を目指し、細胞壁処理不要の新規な高感度 FISH 法の開発を行い、mRNA、機能遺伝子の検出を目的としている。 今年度は、本研究で開発を進める高感度in situ HCR法のさらなる高感度を目指し、HCR反応によるシグナル増幅が比例的であるものを分岐点を設ける事で指数関数的に変える事を目的とした。当初、予想していたほどのシグナル増幅が見込めなかったものの、プローブの再設計を行う事で高感度化に成功した。さらに純粋菌株を用いた解析を行い、その有効性を検証した。現在、原核生物のmRNAの検出を想定した実験系を構築するために遺伝子コピー数の少ないプラスミドを用いてモデル細胞の作成を行っている。また当初、シグナル増幅が見られなかった際に行う予定であったプローブ競合法による標的分子の検出限界の調査は、シグナル増幅がみられたため行わなかった。 また来年度の環境サンプルへの適用を見越し、標的分子数が少なく、細胞浸透性の低い海洋性細菌サンプル、嫌気性汚泥サンプルの調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初目的として高感度は達成できており、おおむね順調に進展している。また次年度を見越し環境サンプルの調整も行った。さらに次年度行うアプタマーの開発についても文献調査などを行い準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、特定の酵素を検出するアプタマーの開発を予定しており、既に文献調査を始めている。アプタマーの開発で重要な点として、標的酵素の調整、SELEX法の構築の二点が挙げられるが、これら実験方法についても文献調査を終え、実験のプロトコールを作成している。今年度同様に、目的を達成できるよう研究を計画的に遂行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は備品の購入は予定しておらず、主に試薬、消耗品の購入を考えている。さらに、今年度の研究の成果を学会等で発表するための旅費も計上している。
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