| 研究課題/領域番号 |
24760443
|
|---|
| 研究機関 | 千葉大学 |
|---|
研究代表者 |
関口 徹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50451753)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
| キーワード | 基礎構造 / 杭 / 地震観測 |
|---|
| 研究概要 |
近い将来問題になると考えられる大口径既存杭の処理に対し、これを積極的に再利用することで工期短縮とコスト削減さらに資源の有効利用による環境負荷の低減ができる新しい建物基礎（非接合パイルド・ラフト基礎、極短杭）を実用可能とするため、提案基礎への地震動入力メカニズムと地震エネルギー吸収機構の有効性を検討し、さらに簡易な設計モデルの構築を目的といている。
上記のメカニズムを明らかにするため，実大に近い種々の基礎構造物模型を実地盤上に設置し地震観測を行っている。基礎構造の種類は一般的な直接基礎と杭基礎および本研究で対象とする非接合パイルドラフト基礎の3種類である。
これまで数多くの地震記録が得られており，構造物の応答が100galを超えるものも観測されている。記録から基礎構造の違いにより上部構造物の応答が異なることが明らかとなった。また地盤と構造物をモデル化した3次元有限要素法解析によりそれらの応答を概ね再現でき，それら応答特性のメカニズムを明らかにしている。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構造物模型を設置し地震記録もある程度の大振幅のものも含め数多く観測されている。また，3次元有限要素法によりシミュレーション解析を行い，観測記録の傾向を概ね再現でき，提案基礎への地震動入力メカニズムについて検討している。しかし提案基礎である非接合パイルドラフト基礎の模型において予想外の震動現象（ロッキング震動）が発生しており，対策が必要である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
当初構造物の上面中央に3成分加速度計を1台設置していたが，非接合パイルドラフト基礎では基礎底面を中心に回転するロッキング震動が発生している可能性が見られた。そのためロッキング震動すなわち構造物の回転成分を把握するため構造物の端部に2つの鉛直成分のセンサを追加で設置した。その結果，非接合パイルドラフト基礎では正方形の構造物基礎底面の一方の対角方向に激しくロッキング振動していることがわかった。
実際の建築物等の構造物は杭本数が多く本実験模型ほどロッキング震動は起こらないと考えられることから，構造物模型の設置方法について現在再検討をしている。
|
| 次年度の研究費の使用計画 |
提案基礎について予想外に大きく発生しているロッキング震動を抑制するため，再設置を行う予定である。構造物は1t以上重量があるためクレーンを使って移動する必要がある。その際に他の構造物についてもロッキング震動を把握するため加速度センサを追加するなどについて検討中である。
|
