研究課題/領域番号 |
24760454
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
藤本 郷史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30467766)
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キーワード | 冬期加温 / 寒中コンクリート / 生コンクリート製造 / エネルギー消費 / 重油 / 電力 |
研究概要 |
本研究は,コンクリートとその関係材料工場を対象として,エネルギー消費や廃棄物発生の実態を把握し,実態に応じた低減策を提案することで,コンクリートの環境配慮型製造施工を実現することを目的としており,その前段階としての工場の環境負荷特性の分析に重点をおいて検討を進めている。本年度は,主として環境負荷の地域性に着目し,寒冷地における生コンクリート製造の冬期加温に関係する分析を実施した。温暖酷暑地区(水等の冷却にともなうエネルギー消費の報告例あり)における同様の分析についても検討したが,事前の関係者ヒアリングから環境影響が比較的小さいことが判明したため,寒冷地に重点を絞った。 1)寒冷地の生コンクリート工場の実地調査・計測をおこなった。寒冷地の代表例として北海道地区の生コンクリート工場群をとりあげ,数工場において,冬季数か月にわたる実地調査計測をおこなった。この計測結果をもとにエネルギー消費,副産物排出特性の把握,コンクリート物性への影響等を分析した。 2)寒冷地の生コンクリート工場の網羅的なアンケート調査をおこなった。このアンケート結果から,広域の工場群に共通するエネルギー消費・廃棄物排出等の特性についても分析を実施した。 3)冬季加温のコンクリート物性への影響を考察する観点から,北海道の生コンクリート工場から骨材を入手し,その高温時の放射率計測実験等を実施し,コンクリート物性への影響および実地計測のための実験的検証を実施した。 4)昨年度収集した骨材破砕関連,輸送計測データの分析を引き続き実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,環境配慮の観点から生コンクリート工場の類型化とその類型ごとのエネルギー消費等の特性モデルの提示を本年度の目標としている。本年度の研究を通じて,寒冷地の工場類型化とエネルギー消費モデルの構築を達成しつつあり,計画以上の進展をえた。一方,骨材の破砕関係・輸送関係の分析では,大学異動のため初年度と同一工場での計測が困難となった関係でやや遅れている。以上のことから総合的には,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
寒冷地などの生コンクリート製造の地域性の類型化には,予想以上の成果をえつつあるので,研究をさらに進めるとともに成果の公表を行う。大学異動の影響で遅れている骨材破砕関係の研究課題については,既に得たデータの分析を中心に研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度研究の性質上,調査対象期間が冬期に限定されるために,研究データの回収やとりまとめを年度をまたぎながら実施する必要がある。次年度使用額は,次年度のデータ回収および成果とりまとめに利用する予定である。 次年度使用額は,次年度のデータ回収および成果とりまとめに利用する予定である。
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