研究課題/領域番号 |
24760463
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研究機関 | 独立行政法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
山下 拓三 独立行政法人防災科学技術研究所, 減災実験研究領域兵庫耐震工学研究センター, 任期付研究員 (40597605)
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キーワード | 鋼構造 / 残余耐力 / 有限要素解析 / 震動台実験 |
研究概要 |
本研究では,本震および余震を想定した2回の加振実験と防災科学技術研究所が開発を進めているE-Simulatorを活用して鋼構造骨組の残余体力の評価を行う.H25年度はE-ディフェンスにおいて加振実験を実施する計画であったが,前年度に長周期・長時間化改修工事が実施されたことから,長周期・長時間地震動による被害解明と被害軽減技術の研究開発といった課題の実験研究を優先することとなり,本研究での加振実験の日程を確保することができなかった.また,H26年度においても震動台の改修工事が実施されることになったため,利用する実験施設をE-ディフェンスから大型耐震実験施設に変更し,H26年度に加振実験を実施することとなった. そこで,当初予定していた短辺6000mm長辺12000mmの4層の鋼構造骨組の試験体についてスケールの変更の検討を行い,1/3スケールの試験体とすることを決定した.また,加振内容や計測の項目および点数について検討し大型耐震実験施設の利用計画を立てた.本実験において用いるひずみ場の画像計測については,H25年度のE-ディフェンスで実施された鋼構造骨組実験で試用し,加振後の柱梁接合部近傍の梁下フランジの歪場を計測することに成功した. また,本研究では,本実験のデータを活用して,E-Simulatorの精度向上も進められる.E-Simulatorの解析モデルは詳細有限要素モデルであるためモデル構築に多大な労力を要するため,本年度は,今後の活用展開を見据えて,鋼構造骨組解析モデルを容易に構築することが可能となるプリ処理モジュールのプロトタイプ開発も実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
E-ディフェンスを用いた加振実験が難しくなったため実験計画を再考することになり研究に遅れが生じたが,実験施設をE-ディフェンスから大型耐震実験施設に変更し実験計画の見直しを行うことで研究期間を1年延長して加振実験を実施できる見通しとなった.また,本実験で用いるひずみ場計測装置を,H25年度にE-ディフェンスで実施された鋼構造骨組実験において試用することができ,ひずみ場の計測が可能であること確認することができた.
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今後の研究の推進方策 |
H27年2月7日から3月1日までの間,防災科学技術研究所大型耐震実験施設を活用して鋼構造骨組の残余耐力評価のための加振実験を実施する.加振までの間に,試験体を製作し,E-Simulatorを用いた事前解析を実施し詳細な計測計画を立案する.実験終了後は実験データを活用し,E-Simulatorの高度化を図る.その後,加振実験結果およびE-Simulatorによる解析結果から,鋼構造骨組の残余耐力の評価を試みる.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画ではH25年度にE-ディフェンスにおいて加振実験を実施する予定であったが,前年度に長周期・長時間化改修工事が実施されたことから,長周期・長時間地震動による被害解明と被害軽減技術の研究開発といった課題の実験研究が優先されることになり,本研究での加振実験を遂行できなかった.また,H26年度においてもE-ディフェンス震動台の改修工事が実施されることになったため,利用する実験施設をE-ディフェンスから大型耐震実験施設に変更し,H26年度に加振実験を実施することとなった.そのため,実験実施に必要となる経費と成果とりまとめに必要となる経費をH26年度に持ち越すこととなった. 大型耐震での加振実験実施のために,鋼構造骨組の試験体製作に費用を要する.また,計測機器の購入および計測設置作業に費用を要する. 実験前の事前解析および実験後の事後解析を実施するため,データ保存用のHDDの購入費用やデータ整理のための人件費を要する. その他,書籍,成果発表旅費は研究遂行のために必要な経費となる.
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