研究課題/領域番号 |
24760474
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
堀 英祐 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (20547046)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 清掃工場排熱 / 広域的熱利用 |
研究概要 |
本研究は、地域レベルでの省エネルギー・CO2削減対策として、未利用エネルギーである清掃工場ごみ焼却排熱の広域利用を目指すものである。エネルギーの最適利用の為には、建物や地域が、清掃工場排熱用の担い手となることが必要である。そこで、本研究では清掃工場排熱の熱利用拡大を図るためにGISの空間解析手法を用いて広域的な熱需要特性を解析し、エネルギーの最適利用が可能となる建物や地域を抽出するとともに、清掃工場排熱を熱利用した場合の省エネルギー・CO2削減効果を示す。 平成24年度に実施した研究成果は以下の通りである。 1)地理情報システム(GIS)を用いて、東京23区町丁目単位での地域・建物特性データベースを作成した。東京都都市計画地理情報システムの建物データ(建物用途、建築面積、建物階数)と、既往研究で調査・整理された建物の各種建物用途別のエネルギー消費原単位統計値を用いて、東京23区内の町丁目単位での建物エネルギー消費量に関するデータベースを作成した。更に、建物用途、規模別に整理されている建物に導入されている熱源機器統計データを用いて、機器別の成績係数(COP)から熱負荷に関するデータベースを作成した。 2)東京23区内に立地する一般可燃ごみを焼却処理している清掃工場の稼動状況を調査し、可燃ごみ量とごみの発熱量から試算されるごみ焼却排熱のエネルギー量を求め、積極的な熱供給利用を行った場合の施設外ヘ供給出来る熱エネルギー量を求めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、「研究の目的」に沿って、清掃工場排熱の熱利用拡大の可能性について、供給先となる地域や建物を抽出するための基礎的なデータベースの作成を行った。平成25年度は、これらのデータベースを用いて詳細な分析を行なうことで、熱供給先の範囲やその時の省エネルギー、CO2削減効果を検討する。 平成24年度の成果は、当初の研究計画に沿った内容で進展しており、平成25年度の分析作業に必要な基礎データを整備できた点は「研究の目的」に照らし合わせて、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究推進方策については、以下の通りである。 建物・地域特性データベースのクラスター分析による地域類型化と広域的熱利用の効果的な地域の抽出町丁目単位の建物・地域特性データベースを基にクラスター分析によって類型化を行い、熱負荷密度や時刻別の熱負荷変動パターン等の特性から、広域的熱利用の為の熱の供給先として効率良く熱を利用出来る地域を抽出し、清掃工場排熱の広域的熱利用による省エネルギー、CO2削減効果の得られる可能性の高い地域と排熱供給源となる清掃工場の組み合わせを整理する。 更に、抽出した環境負荷削減効果の得られる可能性の高い地域と清掃工場の組み合わせに対し、その環境負荷削減効果について一次エネルギー消費量削減効果とCO2排出量削減効果の試算を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する予算は、地理情報システム(GIS)を用いた空間解析を行なうための解析用PCの購入を次年度に繰り越したために発生したものであり、平成25年度に請求する研究費と合わせて、デスクトップPCの購入に充てる。
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