研究課題/領域番号 |
24760481
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
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キーワード | 建築設計 / 建築計画 / 空間認知 / 意識構造 / 健康アセスメント |
研究概要 |
本研究では“空気の質のよさ”がどのように評価されているか,という点に着目する.実住宅での環境物理量を測定し被験者実験より体感・心理量と生理データを得る.これらデータの統計解析を通じ“空気の質のよさ”意識構造を明らかにすることを目的とするものである. 平成25年度について以下の項目を実施した. <環境物理量の測定>対象室の化学物質濃度,換気量,各部の大きさを測定し,調査対象室の環境物理量を明らかにした. <生理データの取得>生理指標の測定実験として,被験者に,異なる実験室にて加速度脈波を測定し,脈拍,心拍数等の自立神経機能などの生理データを計測し,併せてSD法による心理評価を得た.結果,生理反応と心理評価間に関係が見受けられた. これらの研究成果について,対象室の環境物理量については,今夏開催される国際曝露学会(ISES:International Society of Exposure Science International 2013, August 19-23, 2013; Basel, Switzerland)において発表した.また、生理指標の予備的測定実験については今夏開催される2013年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会において発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は<①環境物理量の測定>,<②心理量の測定>,<③生理データの取得>の3つの骨子からなり,平成25年度についてはいずれも実験を遂行できた.研究内容の妥当性が得られ,国際学術集会での発表に至ったことから“おおむね順調”と評価した.現在、3指標相互のプレ解析をすすめ,“空気の質のよさ”意識構造について鋭意究明を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
研究目的の骨子の一つである<③生理データの取得>について,さらにその検証を進めることが課題といえる.生理データについては,環境物理量の違いに起因する変化であるのか,バイオリズム的変化であるのか,個人差や生活習慣,測定のタイミングなど,多様な要素が関連している.有用な生理データを得るためには,環境物理量の設定が非常に重要であり,この点についてより深い検証が必要であると考えている.今年度は,年齢と性別について調整した結果を得た.今後は、対象者のうち数名について長期に渡る計測を実施し、確認する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
未使用額が生じた理由は,研究プロトコルの精査により,測定器の物品購入の必要が無くなったことと,研究代表者自らがデータ整理を実施したため,謝金が発生しなかったことなどである. 最終年度として、主として報告書作成費及び、成果発表のための国内旅費及び外国旅費,資料整理や論文校閲などの研究推進に使用する予定である.そのほか研究遂行必要経費として,交通費,印刷費,消耗品費などに使用する予定である.
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