• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

地方都市における小流域を基礎とした環境基盤とその持続再生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760483
研究機関首都大学東京

研究代表者

片桐 由希子  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50508190)

キーワード流域圏 / 防災計画 / 少子高齢化 / グリーンインフラストラクチャ / 環境データベース
研究概要

本研究は、縮退する都市と農村に共有されうる環境基盤とその計画技術について、流域などの生態的な空間単位を基礎とし、将来起こりうる大規模自然災害に対する事前復興の視点も含めて、提示することを目的としたものである。当初は東日本大震災の被災地である宮城県の仙南地区を中心に研究を進める計画であったが、復興の進展状況を鑑み、人口減少による社会的変化が、これまでに構築された自然・人工の環境基盤の維持・再生に与える影響が大きいと考えられる、都市と農村が拮抗する都市の周縁部を対象とし、流域から地区スケールまでがつながるグリーンインフラストラクチャの可能性とその計画手法を検討するものとし、初年度は、流域の空間構造と社会的な状況変化を把握するためのデータベースとして、旧農業用水路など、かつての農業生産基盤を軸とした構成を検討した。本年度は、地域のインフラストラクチャの維持・更新の実情、その担い手となるステイクホルダの活動状況について調査を実施した。対象は、歴史的に都市と農村が隣り合わせに発展してきた佐倉市の行政機関、城下町から発展した商店街、農村部とした。行政機関については、既存の都市インフラである水道・下水、道路や公共施設、公園などの維持管理の状況と少子高齢化・都市縮退に際しての課題、旧市街地については、景観を切り口とした地区内の環境基盤に対する意識に関するアンケートと実空間の変遷との関係性、農村部については、農業生産の活動単位としての集落の環境構成と小流域との関係性を検討するための現地視察及びデータベースの構築について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

流域のグリーンインフラストラクチャの可能性とその計画手法について、千葉県佐倉市を新たな対象地に加え、行政の体制、都市、農村に関する調査・データ作成・分析を平行してすすめており、それぞれ現況に即した基礎的な分析が中心となったため、当初の目標とした評価手法に着手できていない。

今後の研究の推進方策

今後は、2年目に行った調査・分析に基づいて、流域を基礎とした都市・農村の環境データベース作成と、環境基盤とその持続再生の評価手法を検討する。具体的には、流域を基礎とした環境基盤データベースを構築し、都市・農村における環境基盤の共有の状況とその変遷を把握し、その持続性に対する評価手法を検討する。小流域における開発の状況と水循環など環境基盤の変化、住民の生活・経済活動における小流域への依存性に着目し、長期的には歴史的変遷と突発的なインパクトとしての大規模災害への被害から、流域の環境基盤の脆弱性と頑強性のポイントを把握する。また、これらの分析を通じて、都市と農村の共存のためのグリーンインフラストラクチャの計画技術を提示する。

次年度の研究費の使用計画

対象地が近距離となったため、交通費の支出が少なくなった。また、行政の事業と連携しながらデータ収集をおこなったため、アンケート等の実施費用や謝金が発生しなかったことから、当初予定していたものよりも支出が大幅に少なくなった。
本年度までに検討したフレームでのデータベース構築をすすめるための農業統計などのデータの購入と補助作業に対する謝金、汎用性を検証するにあたっての他事例に関する国内外の現地視察に仕様する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 2013年伊豆大島台風26号の初動調査報告2013

    • 著者名/発表者名
      市古太郎・片桐由希子・饗庭伸
    • 雑誌名

      季刊まちづくり

      巻: 41 ページ: 128-129

  • [学会発表] 計画案提案機能を持つ長期的な市街地再編の費用試算シート

    • 著者名/発表者名
      相尚寿、北垣亮馬、片桐由希子、田村順子
    • 学会等名
      CSIS DAYS 2013, .11.22
    • 発表場所
      東京大学柏キャンパス

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi