街並みに創出される類似と差異のネットワークの仕組みを明らかにするために、オブジェクト・システムCLOS(Common Lisp Object System)を用いて京都の伝統的街並みを記述するとともに、このデータベースを活用して景観シミュレーションを行い、実際のまちづくりの現場のなかで地域住民・まちづくり団体・学生といった多様な主体とともに街並み形成の指針となる「創造的ルール」を探求した。研究成果は、多様な主体が、個々の建築を、公共の財産としての「街並み」の構成要素として捉える視点を持ち、街並み景観のあるべきビジョンと創造的ルールを共有するためのツールを示した点にその重要性がある。
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