研究課題/領域番号 |
24760495
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高尾 忠志 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (20380579)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 土地利用 / 都市計画 |
研究概要 |
地域の持続可能性という観点からの地域資源や空間利用の評価、多様な主体が関わる地域の土地利用変容マネジメント、長期的視点に基づいた土地利用変容に対する評価・計画づくりといった都市計画の課題に対し、本研究では、由布院盆地を対象として、地域住民に伝わる土地利用の「掟」と地域住民や行政が進めてきた空間づくりの「履歴」を把握することを目的としている。平成24年度は、由布院盆地における土地利用の「掟」を調査した。調査方法としては、町史等の文献調査と地域住民に対するヒアリング調査を行った。 文献調査については、土地利用に関する伝統的作法が反映された地名を調査し、また開発に対する地域住民の反応についてもこれまでの新聞記事等により調査した。由布院盆地においてはこれまで開発に対する住民による反対運動が断続的に起きており、特に盆地を囲む山すそ部や草原、農地等における開発に関して住民の関心が高く、反対運動が展開され、旧湯布院町時代に制定された「潤いのある町づくり条例」の仕組みと連動して、環境保全が実現してきたことが明らかになった。 ヒアリング調査については、各町内会の自治組織のあり方を明らかにするために、共有物である共同温泉の維持管理体制について重点的に調査し、各町内会でどのように意志決定が行われているのかのメカニズムを明らかにした。 また、合わせて、他の地域において、どのような考え方に基づいて土地利用が行われているのかについて調査し、由布院盆地の調査結果を相対的に捉えるように配慮した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究応募申請書に記載した研究計画・方法における平成24年度の内容について概ね計画通りに調査が進み、由布院盆地の土地利用の「掟」について、全体像が把握されてきているため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は平成24年度の調査結果をもとにしながら、その調査を継続し、内容を深めていき、由布院盆地における空間づくりの「思想」の分析を行う予定である。特に、昭和40年代以降、由布院盆地で行われてきた土地利用に関する「行政による環境整備」、「住民による環境整備」、「日常的な住民の活動」について、より詳細な調査を行う予定としている。また、引き続き、由布院盆地の特徴を相対的に把握するための他事例調査を継続していくこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
由布院盆地の現地調査を行うにあたっての旅費および調査員への謝金に550,000円、文献や市民ヒアリングをワークショップ形式で開催する際の準備に使用する物品購入費に150,000円、その他12,183円を想定している。
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