戦災復興都市が、その復興過程で示す自律的都市形成規範を都市カーネルと名付けて、その導出を行い、現在の都市の衰退の原因を探るのが本研究の目的である。このため、研究期間に戦災復興都市16都市(東京、郡山、宇都宮、福井、富山、大阪、堺、和歌山、熊谷、長岡、敦賀、神戸、台北、基隆、花蓮、台東)に対して文献調査と現地調査を行い、特に敦賀を重要な事例と位置づけた。敦賀の中心街は第二次大戦末期の空襲で焼け、焼失した区域に戦災復興事業がそのまま適用された。この戦災復興事業は、現在の中心市街地振興政策と、区域が一致し、空襲によって偶発的に発生した区域が、現在の都市計画にも大きな影響を与えていることがわかった。
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