• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

テナント・デモクラシーを導入した公営住宅の維持管理手法に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24760512
研究機関地方独立行政法人北海道立総合研究機構

研究代表者

馬場 麻衣  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究職員 (20614150)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードデンマーク / 非営利住宅 / 社会住宅 / 公営住宅 / 維持管理 / 自主管理 / 居住者教育
研究概要

研究の目的は①先進事例であるデンマークの非営利住宅におけるテナント・デモクラシーの詳細をつかみ②わが国の公営住宅における展開可能性を探ることであるが、当該年度は、以下の点を明らかにすることができた。
1.居住者教育プログラムの内容とその重要性
専門的知識の必要なことの多い集合住宅の管理運営を居住者が主体的に行うことは非常に困難であるため、大手の管理法人や全国非営利住宅連盟により、居住者教育プログラムが提供されている。新任理事が全員受講する「基礎コース」から「経理」「ウェブ技能」など多種ある。基礎コースでは、関連法令や組織の概要など理事に必要な基礎知識の提供の他に、居住者同士のコミュニティ活性化のためのコミュニケーションに関するプログラムが提供され、最も重要視されていた。ルールや基礎知識の理解だけでなく、快適な生活を送るために居住者の主体性を醸成し、さらには参加者同士のネットワークづくりの場となっていることがわかった。
2.非営利住宅の置かれている状況
これまでもテナント・デモクラシーの視点で非常に先進的であったデンマークの非営利住宅であるが、現在理事のなり手不足など課題が深刻化している。その理由としては、テナント・デモクラシーの理念ではなく、民間の賃貸住宅と比べた家賃の安さなどが理由で入居する若い世帯やそもそも民主主義的に物事を決定することに不慣れな他の国からの移民の割合が増加していることがあげられていた。しかしながら、現在多くの非営利住宅が大規模修繕の時期を迎えており、居住者に様々な決定が迫られる機会が増えることが予測される。理事のなり手不足の解消が急がれるとともに、居住者教育プログラムによりテナント・デモクラシーの徹底の必要があることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的は①先進事例であるデンマークの非営利住宅におけるテナント・デモクラシーの詳細をつかみ②わが国の公営住宅における展開可能性を探ることである。
①については、当該年度に現地調査を行い概ね順調に進行している。当該年度は、予定していた居住者教育プログラムの実態調査および大手管理法人へのヒアリングに加え、国土交通省にあたる省庁へのヒアリングにより、上記【研究実績の概要】の結果が得られた。
②については、先進的に居住者が公営住宅の管理に携わっているいくつかの事例検証および一般的な公営住宅の自治会の実態把握を行ったところである。今後さらに事例を増やして調査するとともにそれらを分析する必要がある。

今後の研究の推進方策

デンマークの非営利住宅の調査では、各住区における居住者の日常の管理への関わり方について調査する予定である。さらに、自治体の理念についても、次回の現地調査であわせて実施する予定である。
また、わが国の公営住宅の調査では、文献調査またはアンケート調査により居住者の維持管理への関わり方について把握するとともに、複数の自治体へのヒアリング調査によりさらに詳細な実態を把握する予定である。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していた人件費(通訳費)に比べて、安価に抑えられたため、約8万円次年度に繰り越すこととなった。その他の項目はほぼ予定通り執行された。
そのため次年度は、今年度使用しなかった人件費(通訳費)を充て当初の予定に比べて多くのヒアリングを行うことが可能となり、より詳細な状況が把握できると考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] デンマーク非営利住宅における居住者教育プログラムに関する調査研究2013

    • 著者名/発表者名
      馬場麻衣
    • 学会等名
      2013年度日本建築学会大会学術講演会 講演番号8160
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20130831-20130831

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi