入院患者の重症・高齢化が顕著なわが国の急性期病院の多くは、従来の大規模処遇型の病棟環境のままケアを行うことを余儀なくされている。病棟の室構成は患者像の急速な変化に対応できる病棟構築に貢献できるのか、病床管理と排泄介助の二点から検討した。建替えによって病棟の個室率を高め、集中トイレから分散トイレへと排泄環境を変えたY病院において、患者の転床および排泄方法、看護動線、看護業務の記録調査を行った。結果として、看護単位や室構成の適切な選択は柔軟な病床配置を可能にし、特に分散トイレの採用は患者の早期離床を促すだけでなく、看護業務の軽減にも貢献できることが明らかになった。
|